INDY CAR

2010 オープン・テスト【最終日】プラクティス・フォト・レポート

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開幕前のオープン・テストで総合トップに輝いたのは、ウイル・パワーでした。唯一の60秒台突入です! 昨年スポット参戦ながらエドモントンで優勝した実績が認められ、念願のレギュラー・シートを獲得したウイル。ソノマでは多重クラッシュに巻き込まれて腰を骨折してしまい、ファンも心配していたのですが、しっかりと療養できたようですね。

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「二日間でたくさんのことを試せたよ。今日の最後のほうには予定どおりスピードをアップすることができた。今回の結果を見る限り、今年のチャンピオンシップは激しい戦いになりそうだね」とウイル。昨年までと顔つきが違うというか、トップ・チームに相応しいオーラのようなものを感じます。ウイルは市街地コースでも滅法速いので、シーズン序盤はウイル旋風が巻き起こるかも!

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総合2位は昨日に続き、エリオ・カストロネベスでした。子供ができて落ち着いたのか、少し太ったかな? と思ったエリオでしたが、速さは相変わらずです。ペンスキー入りして10年が過ぎた大ベテランのエリオは、若いオーストラリア人のウイルやライアンの教育係でもあります。二人に負けないスピードを維持しつつ、他でも大活躍なのはさすがですな。

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ペンスキーは3台体制になって、それぞれが違うプログラムをこなしていたのでしょう。最後は全部のデータをあわせて、残り30分ぐらいでタイム・アタックした結果がこのワンツースリーです。ライアン・ブリスコーは3位になりましたが、結果を見てのとおり、それほど差がありません。今年の3台体制はチームをさらにパワーアップさせたようです。

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いやー、佐藤琢磨はすごい! 初めてのインディカーでこれほどのパフォーマンスは、ほんとうに立派だと思います。最後のさいごでジャスティン・ウイルソンに交わされて6番手のタイムでしたが、去年のウイナーたちのすぐ後ろにつけました。写真はピット・ストップの練習風景ですが、ロング・ランも含めて、プログラムをきっちりとこなしていましたよ。

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ターン1で走りを見ていたら、今年もAGRは大変そうな雰囲気でしたね。マルコ・アンドレッティがギリギリの走りで8番手のタイムを出しましたが、他のドライバーは今ひとつというか、昨年と同じようなパターンになりそうな気配。その点、武藤英紀はタイムこそ9番手だったものの、すごく安定感があったと思います。チーム全体が英紀に集中していて、とても頼もしく見えました。

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テスト走行は午前11時ごろにスタートすると言われていたので、メディアセンターで待機していたら、午前9時30分ごろ英紀のピットにだけマシンが到着。何事かとピットへ行ってみると、ニューマン・ハースの広報写真撮影が行われていました。オープン・テストでよく見る光景ですよ。

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12時の開始早々、昨年のチャンピオンであるダリオ・フランキッティがターン12で大クラッシュしてしまいました。昨日もスピンしていたダリオですが、突然コントロールを失ってタイヤバリアに激突。本人は自力でマシンから降り、身体は問題なかったようですが、マシンが大破したことで走行をキャンセルしてしまいました。その後ターン1の方に撮影に行ったら、着替えたダリオがジミー・バッサーと一緒にコースへ行き、他のドライバーの走りをコースサイドから見ていました。

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ダリオのクラッシュでコーションとなり、コースを直すために30分以上もセッションが中断しました。かなりのスピードで突っ込んだようで、ほんとうにダリオらしからぬミスというか、ひょっとしたら走行中にマシンが壊れたのかもしれませんね。とにかく、身体が無事でなによりです!

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今年はストック・カーで大忙しのせいか、今回のテストで振るわなかったダニカ・パトリック。先週末カリフォルニアのネイションワイドを終えてすぐにバーバー入りしたわけですが、またすぐに今週末はラスベガスでのレースが待っています。AGR勢の調子がよければ、もっといい位置に来ることができたかもしれません。この調子で両方のシリーズをこなせるのかどうか、少し心配になりますね。

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今日も朝来たら気温0度と激寒で、テスト走行は結局午後12時からスタートすることになりました。午前10時の時点でもなんと2度。そりゃ、暖かくなるまで待ちますよね。テスト走行が始まるお昼ごろには8度まで気温は上昇しましたが、路面温度は28度で、グリップしないぶん市街地レースのテストとしては良かったかも!?

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すべてのセッションが終了し、チームとのミーティングを終えた武藤英紀と佐藤琢磨が揃って登場! 関東のカート大会に二人とも出場していて、お互いライバルだったそうですよ。時を経て、再び同じシリーズで走ることになるとは、その頃思ってもいなかったでしょうね。ふたりとも久しぶりの再会でうれしそうでした。英紀はなんかこういう場面って、ちょっと照れちゃうみたいですね。ともあれ、今シーズンは二人のサムライが、インディカー・シリーズを大いに湧かせてくれるでしょう。3月14日、サンパウロの開幕戦が待ち遠しいですね!