＜US-Racing＞
第6戦テキサスから一週間の休暇を終え、これから4連戦に突入するインディカー･シリーズ。今年で3年目を迎えたアイオワでしたが、去年同様予選が中止になりました。昨晩の集中豪雨によって、コース上の溝から水が湧き出る問題が発生し、予選が1時間15分遅れの午後5時28分にスタート。武藤英紀、スコット･ディクソン、EJ.ヴィソの3人は予選アタックしたものの、ヴィソのアタック後に水漏れが再発してしまい、午後6時に予選が正式に中止となったのです。これまで予選が行われなかった場合、ドライバー･ポイント･ランキングによってグリッドが決まっていたのですが、レース･ディレクターのブライアン･バーンハートの判断により、今回はマシン･ポイント･ランキングで決定。ドライバー･ランキングとマシン･ランキングは基本的に同じかと思いきや、カストロネベスが参戦していなかった開幕戦は、ウィル･パワーがカーナンバー3のハンドルを握っていたのですね。カストロネベス自身は、ポイント･ランキング4位ですが、パワーが開幕戦で稼いだポイントを加えると、マシンのポイントが1番多いことが判明。したがって、カストロネベスは、ドライバー･ポイント･ランキング･トップのブリスコーの前、ポール･ポジションでスタートすることになりました。
2番グリッドを獲得したライアン･ブリスコーは、「当然だけど、予選アタックしたかったね。予選に向けての準備が完璧だったから、ポールを狙えると思っていたんだ。幸いフロント･ローからスタートできる」と少し複雑な様子。プラクティスでは181.937マイルで総合2位を獲得し、4位に終わったカストロネベスよりも上なので、レースではすぐにトップへ浮上する可能性があります。
前回のショート･オーバル、ミルウォーキーで優勝したスコット･ディクソンは、2列目の3番グリッドからスタートすることになります。プラクティスでは誰よりも多い127周も周回を重ね、総合5位。このコースだけに限らず、ショート･オーバルが得意なダリオ･フランキッティをチームメイトに迎えた今年のディクソンは、ますます強くなっていきそう。
2007年の最初のアイオワ戦を制したダリオ･フランキッティは、プラクティスで総合トップの182.031マイルを獲得。「クルマは速かったから、予選が無いのはちょっとがっかりしたよ。プラクティスでは予選シミュレーションを2回も行って、すごく速かったんだ。ポールが取れると思っていた。といっても、ブライアン･バーンハートの判断は正解だったと思う。スコット（ディクソン）が言うには、バック･ストレートでタイヤから水しぶきが飛んでいたみたいだよ。このような水漏れは最悪だよね。ファンも予選が見れなくてちょっと残念だったと思う」とフランキッティ。ショート･オーバルでダントツの実力を持つフランキッティは、明日の優勝候補の筆頭かもしれません。
プラクティス中にピット･ストップの練習をしようとしていたダニカ･パトリックは、ピット･ロードで待機していたクルーに、誤ってヒットしてしまいました。その様子は http://indycar.neulion.com/indy/console.jsp で見ることができますが、幸い大きなケガではなかったようで、良かったですね。ちょっと照れをごまかしながら、謝ってましたよ。
昨年のアイオワのレースで、日本人史上最高の2位でフィニッシュした武藤英紀は、予選で最初のアタッカーでした。ラップごとにどんどんスピードを上げ、不安定なコンディションの中で力強いスピードを記録したのですが、残念ながら無効に。ドライバー･ランキング12位の武藤は、10位のライアン･ハンター−レイがAJフォイトに移籍したため、マシン･ランキング11位ということで、11番グリッドからスタートすることになりました。
武藤のコメントを紹介しましょう。「水漏れが見えると言われてたんですが、それほど気にならなくて、不安は一切ありませんでしたね。ゼロです。けっこう気持ちもイケてましたし。一番目に走るのは不安でしたけど、逆に悩まなくて良いから、すごい楽でした。コンディションの変化という意味では、ラバーが載る後半のほうがいいかもしれませんが、気持ち的には一番目も悪く無いです。人の走りを見なくて良いし、集中しやすいですよ。4周全開でイケたので、トップ10には入れたと思いますが、結果はわかりませんね。レース用のクルマに関しては、去年かなりよりも良いと思っています。ただ、今晩も雨が降るかもしれず、明日のコンディションがどうなるか解りません。このままいけば、かなり良いとは思うんですけど」。去年よりも良い仕上がりのマシンで、狙うは勝利のみ！
午前のプラクティスでマルコ・アンドレッティがクラッシュしました。その最初にぶつかった部分、写真右上でオフィシャルが修復している箇所ですが、ここはテレビ･カメラが入るケージなんです。実は、この時にまだテレビ･カメラが設置されていなくて、はじめはこの場所で撮影しようとして中に入ったら、IRLのオフィシャル･カメラマンに駄目だって言われて、しぶしぶ他のフォトホールに移動したのでした。昨年のフォト･レポートでもお伝えしましたが、アイオワのコースは外側にコンクリートウォールがなく、何本もある鉄柱がSAFERウォールを支えているだけなんですね。だから、けっこう危ないのです。ちゃんと言われたことは守るってことを、改めて認識したクラッシュでした。ふー。
まるで去年のインディ･ジャパンのようでしたね。2001年のCARTイギリス戦もそうでしたが、雨が降っていないのに、走れないというのはなんともつらいもんです。今回もオフィシャルのみなさんが懸命にコースを修復していたのですが、残念ながら予選中止となってしまいました。今晩も雨が降るということなので、ちょっと心配ですね。
昨晩は雨でしたが、朝は快晴となったアイオワ州ニュートン。アイオワ・スピードウエイ上空は青空が広がりました。しかし予選開始時間が近づくにつれて雲がコース上空に広がりだし、予選が始まる頃にはとうとう雲で覆いつくされてしまいました。気温は5時15分の時点で30度まで上昇。湿気もあったので蒸し暑い一日でしたよ。実は、夕方くらいから雨が降るという予報がだったのですが、心配された雨は降ることなく、逆にコースから水があふれ出てきたんですね。明日も朝方から雨が降り、午前中の降水確率は40パーセントとかなり微妙。無事、レースがスタートできることを祈りましょう。今週から始まったポッドキャストも参考に、ぜひウイナーを当ててください！