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第4戦インディアナポリス500【レース・デー】フォト・レポート

<US-RACING>

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スピードウエイ設立100年目のウィナーに輝いたドライバーは、エリオ・カストロネベスでした。1ヶ月前に脱税容疑で無罪となり、翌朝ロング・ビーチでインディカーに復帰したとき、あまりの嬉しさに号泣していたカストロネベス。今日もゴール後に泣いてしまい、3度目のミルクは今まで以上にしょっぱい味になったかもしれません。93回のインディ500の中で3度以上制覇したのは、これで9人目となります。ポール・ポジションやピット・ストップ・コンペティションも制し、そして今日はインディ500の勝利まで手に入れたブラジル人。まさに劇的な完全復活です。

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残り59周の時点でリーダーのスコット・ディクソンからトップを奪ったカストロネベス。後ろの順位が次々と入れ替わるなか、しっかりとトップを守り、そのまま1.9819秒差でフィニッシュしました。チェッカー後、スタート&フィニッシュ・ラインでクルマを止め、クルー全員と一緒にフェンスに登り、大観衆から祝福を受けたスパイダーマン。「ほんとうに最高だよ!この涙が僕の気持ちを表している。ロジャー・ペンスキー、クルー・チーフのティム・シンドリック、クルー全員、ほんとうにたくさんの人々のおかげだよ。そしてファンのみんな!君たちは最高だ!この最高のファンは僕の誇りだよ」とヴィクトリー・レーンでミルクを振り撒いたカストロネベス。その後再び目頭を押さえていましたよ。

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みごと2位でフィニッシュしたのは、2005年インディ500ウィナーのダン・ウェルドン。ルーキー・シーズンに所属していたパンサー・レーシングに戻ったウェルドンは、18番グリッドからスタートし、1周目に4台もパスして14番手に浮上しました。その後、ピット・ストップで次々とポジション・アップのチャンスを掴み、残り15周で2位まで大躍進。「まだ興奮しているよ。残念なことにエリオまで届かなかったけど、彼はほんとうに強かった。僕のキャリアで初めてクルーが100%出してくれたと思う。驚異的だった。スポンサーのナショナル・ガードのモットーである“ネバー・ギブ・アップ”を今日実践したよ。最後まで諦めなかった」と6回目のファイブ・ハンドレッドを2位で終えたウェルドン。ボーグ・ワーナー・トロフィーに再び顔を載せることはできませんでしたが、この結果には満足しているようです。

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10番グリッドからスタートしたダニカ・パトリックは、レース序盤に12番手へ下がったものの、クルーの素早いピットストップによって徐々にポジション・アップ。6位だった163周目の最後のピットストップでは、4位まで順位を上げ、180周目のブリスコーの脱落で3位まで浮上しました。「クルーがピットで素晴らしい仕事をしてくれたわ。レース終盤に上位で走ることができてすごくうれしかった。最後にウェルドンをパスできると思っていたけど、彼よりダウンフォースが強かったから難しかったと思う。ファンの視点からは素晴らしいレースだったと思います」とコメント。500自己ベストの4位を塗り替え、今シーズン3連続のトップ5フィニッシュを成し遂げました。

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4位に入ったのは、Month of Mayセカンド・ウィークに参戦が決まったタウンゼンド・ベル。レース1周目にKVレーシングのチームメイト、マリオ・モラエスがまさかのリタイヤとなったため、モラエスのクルーがベルのマシンに集中することになりました。24番手からスタートしたベルは、ピットで順位を落とすなど、スムーズなレースではありませんでしたが、最終的にみごと20ポジションもアップしてフィニッシュ。「言葉にできないくらいチームに感謝している。最高のクルマだったんだ。この素晴らしいチームのためにトップ5フィニッシュを成し遂げることができて、ほんとうにうれしい。最初からアグレッシブに走らないとポジションを奪えないのは分かっていた。アグレッシブすぎず、ぎりぎりのバランスをとることができたんだよ」とコメント。インディ500以降のシートが決まっていないベルですが、これで新しいオファーが来ると良いですね。

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バンプ・デーでまさかのバンプ・アウトに遭い、ジュンケイラが予選を通ったクルマで走ることになったタグリアーニ。レース前は彼の技術を疑っていた人が多かったかもしれませんが、ロジャー安川のコラムの通りベテランらしい速さを見せ、最後尾の33位から追い上げてルーキー勢トップの11位でフィニッシュ。「信じられない! クルーがピットで最高の仕事をしてくれたよ。これだけの観客の前で良いフィニッシュすることが、まさに我々の目標だった。スポンサーやチーム・オーナーにとってもすごく重要なことだよ」と本人もちょっとびっくりしていたようです。22もポジションをアップしたのは、今日の最高記録でした。

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2年目のファイブハンドレッドに臨んだ武藤英紀は、16番グリッドから着実にポジションをアップ。「トップ4に入れるぐらい、すごく良いクルマでした」と本人が認めるほどの仕上がりで、レースの4分の1に差しかかろうとした49周目には10位まで上がってきました。しかしチームは武藤を56周目にピット・インさせ、この直後にまさかのフル・コース・コーション。オフィシャルは武藤をコースに戻し、17番手まで順位を落としてしまったのです。

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ここから武藤は再び挽回し、そろそろ半分となる98周目のコーションの時点で12番手まで躍進。さらなる追い上げ期待がされた中、100周目のピットで再び武藤を不運が襲います。レース前の事故で入院を余儀なくされたジャッキマンの代りに入った新人がミスを連発。ピットで大きく出遅れた武藤は、なんと20番手まで順位を落としたのでした。「今日のピットは素人のようでした。リスクを背負って何人も抜いて帰ってきたら、いっきにポジションが落ちてしまって…。精神的に辛かったです」とその状況を振り返る武藤。それでも最後まであきらめずに、最後はポール・トレイシーに果敢に挑むファイトを見せて10位まで挽回したのですが、「10位でゴールするようなクルマじゃなかった」と本人はかなり悔しそうでした。

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今年のインディ500はアクシデントが8回もあり、200周中61周もコーションでした。結局10台もリタイアをすることになったのですが、その中で最も大きかったのは、ヴィットール・メイラとラファエル・マトスのブラジル人同士のクラッシュ。4番手で走っていたマトスは、ターン1でメイラと絡んでしまい、2台ともSAFERバリアに激突しました。2人とも病院に搬送され、マトスは軽傷でしたが、メイラは背骨2箇所を骨折。しかし、手術をする必要がないとの事で、良かったですね。

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今日は午後3時に雨が降るという予報で、だんだんと雲が多くなっていきましたが、幸い最後まで雨にはなりませんでした。気温は28度と初夏を思わせるような陽気となり、かなりビールが消費されたに違いありません。朝は重かったクーラーボックスを、みんな空にして帰ったのではないでしょうか。今回はスピードウエイ設立100年目だったせいか、朝から大渋滞。6時半にホテルを出て、1時間半近くかかってやっと到着しました。途中全然動かなくなり、かなり焦りましたよ。まるでシリーズの分裂前を髣髴とさせるような混雑振りで、カストロネベスの優勝に観客も盛り上がってましたね。シリーズは休むまもなく、来週はミルウォーキーです。果たして、インディアナポリスと対照的な1マイルのショート・オーバルを制するのは、いったい誰でしょう?