<Formula Dream Indy>
<2008 IRLインディカー・シリーズ第15戦インフィニオンPEAK Antifreeze & Motor Oil Indy Grand Prix of Sonoma County>
【日 程】2008年8月22〜24日
【開催地】カリフォルニア州ソノマ
【コース】インフィニオン・レースウェイ
【距 離】ロードコース:2.303マイル(3.706km)
【天 候】24日:快晴/気温31〜32℃
【時 間】午後2時30分〜(日本時間25日午前6時30分〜)
■■■8月24日決勝■■■
<テクニカルコースを80周するレース>
カリフォルニアワインの産地ソノマにオープンして40周年を迎えたインフィニオン・レースウェイ。ここはアップダウンの激しい全長2.303マイルのサーキットだ。低速から高速まで様々なコーナーがあり、ドライビングもマシンセッティングも非常に高度なものが要求される。このコースを80周して争われるレースでは強靭な体力も求められる。
<決勝に向けてマシンをファインチューニング>
決勝日午前中には30分間のファイナルプラクティスが行われた。ここで武藤英紀は21周を走り込み、マシンのハンドリングでいい感触をつかんだ。レースは80周と長い。ハンドリングさえ良い状態に仕上げておければ、上位へと食い込んでいくチャンスは必ず出てくるはずだ。
予選20位だった武藤が上位フィニッシュを実現するためには、レースの中で確実に作戦を的中させることが必要だ。フルコースコーションをいかに利用するかはもちろんのこと、それが出されなくともトップグループとピットストップのタイミングをずらす、燃費のセーブなど、柔軟性を持って戦略をフルに使っていかねばならない。
<7周目にピットイン>
ところが、スタートでポジションを保った武藤は、すぐ前を走るタウンゼント・ベルの遅いペースに完全に付き合わされてしまった。そこでチームは最初のピットストップを7周目という非常に早いタイミングで行った。しかし、この作戦は完全に外れた。翌周にピットストップを行ったエンリケ・ベルノルディの後ろにつく結果となり、彼のペースはベルよりもさらに遅かったのだ。
<二度目のピットストップは30周目>
武藤はベルノルディをパスするのに5周を要した。その後にフルコースコーションが発生。スタックしている間に広げられた差は縮めることができたが、武藤の狙い通りのレース展開ではなかった。そこで2回目のピットストップも早めに行った。コースの空いている場所に出ることができれば、武藤は悪くないラップタイムをコンスタントに刻んでいけるはずだったからだ。
<粘り強く走り続けて7つのポジションアップ>
全員が二度目のピットストップを終えた時、武藤の順位は13位まで浮上していた。しかし、序盤にピットに入った武藤はゴールまで走り切るために3回目のピットストップが必要だった。80周のレースが53周目を迎えた時、武藤はピットロードへと向かった。
ここからゴールまでの武藤は燃費セーブも大きなテーマとなっていた。残り周回数を考えると、燃料ミクスチャーを最高に設定したままでは走り切ることができないからだ。それでも武藤はオリオール・セルビアにプレッシャーをかけ、マルコ・アンドレッティからのアタックを退け続けて13位でゴール。スタート位置から7つのポジションアップを果たしてのフィニッシュとなった。
■■■コメント■■■
<武藤英紀>
「残り2レースで自分の力をすべて出し切りたい」
「今日のレースでは序盤の早いうちにピットストップを行う作戦に出ました。前に誰もいないコースに出て、良いラップタイムで走り続け、上位へアタックしていこうと考えていたんです。しかし、その作戦がうまく決まりませんでしたね。2回目のピットストップ以降も作戦が自分たちの考える展開にならず、いつも誰かが目の前を走っている状態になっていました。
ピットストップのタイミングをずらす作戦を使ったわけですが、ここのピットロード入口はスピードを保って一気に飛び込みたいところなのに、いつも最終コーナー進入でブレーキングするマシンが目の前にいました。そのため、自分も一度ブレーキングしてからピットに向かうようになり、ロスにつながっていたと思います。
今シーズンも残すところデトロイトとシカゴの2レースだけになりました。その2レースで好結果を得られるよう、自分の力をすべて出し切りたいと思います」
<レイ・ガスリン:レースエンジニア>
「序盤のロスがポジションアップの可能性を削いでしまった」
「最初のピットストップを7周目に行った。しかし、その後にベルノルディに引っ掛かった。あそこが今日の我々のレースのすべてだった。彼のペースは非常に遅かったが、そのような相手でもこのコースではオーバーテイクをするのが難しい。ベルノルディを抜くまでに何周もかかり、そのロスによって上位へのポジションアップの可能性は削がれてしまった。
2回目のピットストップも状況を打開するために早めにしたのだが、こちらも失敗だった。結果論となるが、フルコースコーションが序盤の1回だけしか出なかったことで、我々は最後のスティントで燃費をセーブしなければならなかった。序盤のロスがなければ、6位でのフィニッシュも可能だったはず。それだけに非常に悔やまれるレースになってしまった。
来週のデトロイトでは好パフォーマンスを発揮し、上位に食い込みたい。デトロイト同様、バンピーなストリートコースだったセント・ピーターズバーグでは、我々は良いレースを戦えた。デトロイトはヒデキにとって初めての走行となるが、素早くコースをマスターして戦って欲しい。チームとしてもデトロイトのマシンセッティングを良くしていきたい」
■■■決勝結果■■■
2.303マイル(3.706km)×80周=180.24マイル(296.442km) 出走27台
順位 No. ドライバー タイム 平均速度mph(km/h)
1位 3 H.カストロネベス 1:50’15.8282 100.254(161.343)
2位 6 R.ブリスコー +5.2926 100.174(161.214)
3位 11 T.カナーン +16.6032 100.003(160.939)
4位 10 D.ウェルドン +17.7720 99.986(160.912)
5位 7 D.パトリック +25.8458 99.864(160.716)
13位 27 武藤英紀 +56.3186 99.408(159.982)
※全車シャシー:ダラーラ/エンジン:Honda/タイヤ:ファイアストン
■■■ポイントスタンディング■■■
順位 No. ドライバー ポイント ビハインド
1位 9 S.ディクソン 576 リーダー
2位 3 H.カストロネベス 533 -43
3位 10 D.ウェルドン 452 -124
4位 11 T.カナーン 446 -130
5位 6 R.ブリスコー 390 -186
8位 27 武藤英紀 315 -261