INDY CAR

武藤英紀、追い上げ途中のスピンで無念のリタイア

<Formula Dream Indy>

<2008 IRLインディカー・シリーズ第13戦エドモントンRexall Edmonton Indy>
【日 程】2008年7月24〜26日
【開催地】カナダ・アルバータ州エドモントン
【コース】エドモントン・エアポート特設コース
【距 離】特設コース:1.973マイル(3.175km)
【天 候】26日:晴れ/気温26〜28℃
【時 間】午後3時〜(日本時間27日午前6時〜)

■■■7月26日決勝■■■
<ファイナルプラクティスで決勝セッティングをチェック>
 力を発揮し切れなかった予選から一夜が明けた。決勝日の天気も良好。武藤英紀は新しいセッティングを施したマシンでエドモントンの空港サーキットを走り始めた。
 30分という短いセッションだったが武藤は19周をこなし、その18周目にベストとなる1分3秒3280をマーク。レースペースと予想されるラップタイムで走れることを確認した。このタイムでコンスタントに周回し続けることができれば、十分に高い戦闘力を発揮することができるだろうと期待して決勝へと臨んだ。

<21番手スタートからポジションアップ>
 予選では22位にランクされた武藤だったが、レースに向けてエンジン交換を行ったマシンがグリッド最後尾へと下げられたため、武藤のスターティンググリッドは21番手となった。
 スタートで武藤は19番手までポジションアップ。トニー・カナーンにパスを許したが、1台がタイヤトラブルでピットインし、順位は19位へと戻った。武藤の序盤のペースは1分4秒〜5秒台。もっと速いスピードで走るだけの力が武藤にもマシンにもあったが、前方を行くマシンをオーバーテイクするのは難しく、燃費をセーブしながら走る作戦を採った。

<序盤のフルコースコーションでピットストップ>
 武藤は最初のフルコースコーションを27台出走中の18位で迎えた。作戦をどうするか、非常に微妙なポジションである。トップグループがピットインした際にコース上に残れば、一気に順位を上げることができる。そして、その後のフルコースコーションの出方次第では上位に残ったままレースを戦える場合も考えられる。しかし、フルコースコーションが出なければグリーン下でピットインし、大きなタイムロスを余儀なくされる。
 19周目にフルコースコーションが出された時、武藤陣営はピットに入る作戦を採った。3台がコース上に残る作戦に出たが、武藤がピット作業を終えてコース戻ると17位へと順位はひとつ上がり、この判断は成功だった。

<第2スティントでまさかのアクシデント>
 リスタートで武藤は17位をキープ。しかし、マシンのハンドリングにピットストップ前と大きな変化が出てしまい、武藤は28周目のターン14でスピン。タイヤバリアに横向きにヒットしてしまった。今年3回目のリタイヤだ。順位は27位。しかし、シリーズランキング7位、ルーキーポイント最上位は変わらず、次のケンタッキー戦を迎えることとなった。

■■■コメント■■■
<武藤英紀>
「コンスタントに順位を上げていく自信があっただけに残念」

「1セット目のタイヤでの走行はまずまずで、前を行くマシンを抜くことはできなかったけれど、同じペースで走ることはできてました。だから燃料をセーブしてました。そして、ピットストップで順位を上げることもできました。その後も同じ感じで順位を上げていくことはできていたと思います。しかし、2セット目のタイヤでマシンのバランスが変わってしまったんです。なかなかタイヤの内圧も上がりませんでした。スピンをしたのはスローパンクチャーが原因だった可能性もゼロではないと思います。後でタイヤには異常はなかったと言われましたけど……。今回は流れがなかったですね。次のロードレース、ソノマでは良いレースを戦いたいと思います」

<レイ・ガスリン:レースエンジニア>
「バランスに変化があるまでは悪くないペースで走れていた」

「昨日のものと比べると、レースに投入したセッティングは大きく違っているものだった。しかし、我々のスターティングポジションは後方で、周囲のペースに影響されての走りになっていたので、本当に良いセッティングだったかどうかを正確に判断することはできない。ただ、トニー・カナーンと同じペースで走れていたことから見ると、決して悪いものではなかったはずだ。ところが、残念なことに2セット目にタイヤを装着すると、ヒデキはマシンの異常を訴え始めた。タイヤの内圧もフロントよりリヤの上昇が少しだが遅くなっていた。それがスピンを誘発してしまった原因だと思われる。次のレースはケンタッキーのオーバルだ。そこで良いパフォーマンスを見せるのはもちろんのこと、その次のソノマのロードコースでも是非とも良い走りを実現したい」

■■■決勝結果■■■
1.973マイル(3.175km)×91周=179.543マイル(288.946km) 出走27台

順位 No.  ドライバー     タイム     平均速度mph(km/h)

1位  9  S.ディクソン    1:51’05.7039   96.967(155.570)
2位  3  H.カストロネベス    +5.9237   96.881(155.914)
3位 02  J.ウィルソン      +13.1009   96.773(152.522)
4位 22  P.トレーシー      +28.1462   96.559(155.396)
5位  5  O.セルビア       +28.7132   96.551(155.383)

27位 27  武藤英紀        64周遅れ   97.712(157.252)

※全車シャシー:ダラーラ/エンジン:Honda/タイヤ:ファイアストン

■■■ポイントスタンディング■■■

順位 No.  ドライバー     ポイント       ビハインド

1位  9  S.ディクソン      505        リーダー
2位  3  H.カストロネベス    440           -65
3位 10  D.ウェルドン      390          -115
4位 11  T.カナーン       387          -118
5位  6  R.ブリスコー      324          -181

7位 27  武藤英紀        286          -219