<Audi>
【第6戦 :ミッド・オハイオ】
●ルール/ヴェルナー組が優勝し、カペロ/ピロ組が2位に
●アウディR10 TDIが、ずば抜けて優秀なパフォーマンスを発揮
●全111ラップのレース中、107ラップでトップ走行
アウディスポーツ・ノースアメリカの2台のアウディR10 TDIは、アメリカン・ルマン・シリーズ第6戦の舞台ミッド・オハイオ(アメリカ合衆国オハイオ州)で、卓越したパフォーマンスを発揮しました。ルーカス・ルール/マルコ・ヴェルナー組とリナルド・カペロ/エマニュエル・ピロ組は、車重が優遇されているLMP2クラスのマシンを退け、見事な1-2フィニッシュを飾り、このサーキットでは2004年以来となる総合優勝を獲得しました。
ルーカス・ルールとマルコ/ヴェルナーの勝ち方は、特に目覚ましいものがありました。彼らは全部で111周のレースの内、107周でトップ走行をしていたのです。予選5番手でレースに臨んだヴェルナーは、スタート後わずか5分で、前を走る4台のアキュラやポルシェを抜いてトップに立ちました。その後も飛ばし続けたヴェルナーは、7周目で最速ラップのコースレコードを記録し、その後50周目にはトップの位置でルーカス・ルールにマシンを渡しました。ルールは、ゴールまでヴェルナーが作ったリードを守りきりました。
4回も発生したコーションピリオドが、発生するたびに、2号車のリードを奪ってしまいました。しかし、ルールはそのたびに逃げ切って、新たなリードを作り続けました。そのような状況であったにも関わらず、彼は約2時間のレースを、たった1セットのタイヤで走りきりました。
リナルド・カペロ/エマニュエル・ピロ組もまた、素晴らしいパフォーマンスを見せてくれました。予選7番手からレースに臨んだカペロは、レーススタートのわずか18分後に2番手まで上昇し、アウディの1-2リードを作り出しました。GT2のマシンがぶつかって来てスピンさせられてしまい、一時的に3番手に落ちてしまったものの、カペロは再び2番手の位置に復帰しました。
タイヤ交換を2回行うというチームの判断が、1号車のアウディR10 TDIを2位でゴールさせました。最後のコーションピリオドが引っ込められた後、ピロはポルシェRSスパイダーを駆るロメイン・デュマスを軽々と抜き去り、アウディの1-2フィニッシュを生み出しました。
アウディR10 TDIにとって、2006年3月のレースデビュー以来、今回は6回目の1-2フィニッシュで、17回目の総合優勝となります。ルーカス・ルールとマルコ・ヴェルナーは、過去6戦中5回の優勝によって、LMP1クラスのドライバーズチャンピオンシップをリードし続けています。また、3回の総合優勝を獲得したことで、アウディは今年上半期でもっとも優秀なブランドとなりました。アメリカン・ルマン・シリーズの下半期シーズンの戦いは、8月9日のロードアメリカから始まります。
【アウディドライバー/アウディチーム首脳のコメント】
Dr. ヴォルフガング・ウルリッヒ (アウディ モータースポーツ代表)
今日のパフォーマンスは、すべてが上手くいき、完璧だった。ポイントは、両方のマシンともに充分な速さを安定して発揮していたということだ。我々は、燃費の計算に対してもすぐれた作戦を採っており、コーションピリオドのタイミングで上手くそれを活かすことが出来た。久しぶりに現地入りしたアメリカのレースで1-2フィニッシュとなるなんて、縁起がいい。次のレースも現地入りして見たいものだ。
ルーカス・ルール (アウディR10 TDI #2)
アウディにとってパーフェクトな日だった。どうやら、ボスが現地にいるとすべてが上手く運べるみたいだ。ボスは、残りのレースにも来るべきだと思う。いずれにせよ、僕はすごくハッピーだ。エンジニアやチームクルー全員が、良い仕事をしてくれた。作戦はパーフェクトだった。最初のうちは疑心暗鬼だったのだが、最初のコーションピリオド解除から2周ほどした時、誰も僕らのマシンの背後にいなかったので、今日のレースでは誰も僕らについて来られないことを確信した。マルコの最初のスティントでのドライビングは素晴らしかった。僕は、アウディスポーツ ノースアメリカ、チームチャンピオン、そしてインゴルシュタットとネッカーズルムで働くすべての人に感謝している。
マルコ・ヴェルナー (アウディR10 TDI #2)
ファンタスティックな1日だった。昨日の予選の結果からみて、前にいるクルマとの差はほとんど無く、レースが始まればいつものように抜き去れると感じていた。その思惑通りになったレースだった。ルーカスは、彼のスティントを1セットのタイヤで走り続けた。これは簡単にできることではない。それを実現出来たということは、我々のR10 TDIのセッティングが完璧だったことを表している。ピットストップのタイミングも良かった。今日は、すべてが上手く運んでいた。アウディチーム全体に感謝したい。
デイブ・マラジ (チーム アウディスポーツ ノースアメリカ、チームディレクター)
予選の結果からみて、私は表彰台が獲得できれば良いと考えていたが、まさかこんなに素晴らしい結果になるとは期待していなかった。ファンタスティックな働きをしたドライバー達やチームクルー全員を讃えたい。すばらしいチームワークがもたらした勝利だ!
【ALMS第6戦 ミッド・オハイオ結果】
1. ルール/ヴェルナー (AUDI R10 TDI) 111ラップ 2時間45分19.458秒(1st in LMP1)
2. カペロ/ピロ (AUDI R10 TDI) +7.717秒(2nd in LMP1)
3. デュマ /ブラバム (ポルシェ) +11.272秒
4. ブラバム/シャープ (アキュラ/ホンダ) +11.881秒
5. フェルナンデス/ディアス (アキュラ/ホンダ) +18.519秒
6. マーセン/ロング (ポルシェ) +32.798秒
7. スミス/ダイソン (ポルシェ) +52.516秒
8. フランキッティ/ライツィンガー (ポルシェ) +56.665秒
9. ミュラー/ファーンバッハ (フェラーリ) −7ラップ
10. ファン・オーバービーク/ピレ (ポルシェ) −7ラップ