<Formula Dream Indy>
<2008 IRLインディカー・シリーズ第12戦ミド-オハイオHonda Indy 200 at Mid-Ohio>
【日 程】2008年7月18〜20日
【開催地】オハイオ州レキシントン
【コース】ミド-オハイオ・スポーツカーコース
【距 離】ロードコース:2.258マイル(3.633km)
【天 候】20日:晴れ/気温26〜29℃
【時 間】午後1時30分〜(日本時間21日午前2時30分〜)
■■■7月20日決勝■■■
<決勝日朝のウォームアップでセッティングを最終確認>
昨日の予選で10位となった武藤英紀は、決勝日の朝のウォームアップでレース用のマシンセッティングを行った。30分のセッションをフルタンクで走り出し、11周を連続走行してピットイン。ここでセッティングに変更を加え、残り時間で8周してトータルで19周を走った。ベストラップはセッティングを変えた後の15周目に記録した1分9秒5494で、最終的に武藤はこのセッションでは14位にランクされた。
<レースの前に2度の大雨>
ウォームアップと決勝スタートの間には4時間半のインターバルがあったが、その間に2度強い雨が降った。しかしスタート時刻前になると太陽が照りつけはじめ、路面はどんどん乾いていった。出場26台がフォーメーションラップへとピットを離れた時、路面はコースのほぼ全域でドライコンディションに近い状態になっていた。しかし、また雨が降る可能性もあったことから、全車がウエットタイヤ装着でスタートを切った。
<5周目にスリックタイヤに交換>
路面の乾きは思った以上に早く、1周を終えたところでピットに入る者もあらわれた。武藤は4周を終えてピットに向かった。トップグループの多くが同じタイミングでピットインを行った。タイヤを交換してコースに戻った時点で武藤の順位はスタート時と同じ10位であった。
<ピットタイミングを味方につける難しさ>
今回のレースは非常に興味深い展開となった。普通ならフルコースコーションを利用してピットインすることが大きなプラスとなるが、今日はまったく逆になったのだ。その最大の原因はコース上でのオーバーテイクの難しさにあった。グリーン下でピットに入れば大きなタイムロスを被るが、その後にフルコースコーションが出され、そこでピットインせずに済めば一気にポジションを稼ぐことができる。チームが武藤をピットに呼び入れようと考えていた時、フルコースコーションが出てしまったため、2回目のピットストップは他のドライバーたちと一緒のタイミングになった。
しかも、ここで右リヤタイヤの交換に時間がかかってしまい、武藤は3つのポジションダウンを喫した。それでもマシンにはスピードがあり、アンダーステアは出ていたものの安定したラップタイムを刻み続け、武藤はひとつでもポジションを上げるべくドライビングを続けた。
<予選順位よりひとつ上位の9位でフィニッシュ>
予選日に比べれば気温は低くなったが、スタート直前の雨の影響もあり、湿度がきわめて高く、ドライバーにとって過酷なコンディションでのレースとなっていた。武藤は体力消耗でパフォーマンスダウンすることもなく85周を走り切った。そして、予選順位よりもひとつだけだが上のポジションの9位でチェッカードフラッグをくぐった。
■■■コメント■■■
<武藤英紀>
「我々の作戦にレース展開が味方してくれませんでした」
「無線での通信がうまく行かず、スリックに交換するタイミングが少し遅くなりました。あと1周早く入りたかったですね。ウエットタイヤでのマシンのハンドリングが良くて、スリックに換えた後も序盤は良かったのです。何台かをパスすることもできました。しかし、路面のグリップが高まって来るとフロントのグリップが足りなくなって来ました。レース中盤には、ピットストップで作業時間が長くかかってしまってポジションを落としましたが、その後も自分はラップタイムを安定させて走ることはできていました。フロントのグリップが少なかったですが、ラップタイムも決して悪いものではなかったと思います。ただ、このコースはオーバーテイクが難しいですよね。今日、コース上で僕がパスできたのは2台だけでした。結局、今日の僕らは作戦が良くなかったということだと思います。僕らの作戦にレース展開が味方してくれませんでした」
<レイ・ガスリン:レースエンジニア>
「苦しい展開にもかかわらず、 ヒデキはすばらしいドライビングを続けてくれた」
「ウエットタイヤでの周回数が多過ぎた。1周でもいいから前にピットに入れるべきだった。スタート前に1周だけでピットに入る可能性についても話をしていたが、無線でのコミュニケーションがうまく行かなかったために4周終了後というタイミングになった。1周目か2周目を終えた時点でピットインしていれば、3位まで一気に順位を上げることができていた。もしそうできていたら、ヒデキは最後まで上位に残り続けただろう。彼は本当に素晴らしいドライビングを続けていた。我々は2回目のピットタイミングも良くなかった。グリーン下でピットストップをしようと考えていたところでフルコースコーションが出てしまったからだ。さらに、そこでの作業時間が長くかかり、3つもポジションを落とした。あのミスも非常に痛かった。しかし、ポジションアップに逆らう事情が重なったというのに、我々は予選順位を上回る9位でゴールできた。その点では悪くないレースを戦えたと考えている」
■■■決勝結果■■■
2.258マイル(3.677km)×85周=191.930マイル(308.881km) 出走26台
順位 No. ドライバー タイム 平均速度mph(km/h)
1位 6 R.ブリスコー 2:01’22.8496 94.873(152.683)
2位 3 H.カストロネベス +7.2640 94.779(152.532)
3位 9 S.ディクソン +7.6967 94.773(152.522)
4位 8 W.パワー +12.7596 94.707(152.416)
5位 5 O.セルビア +13.4713 94.698(152.401)
9位 27 武藤英紀 +18.0084 94.639(152.306)
※全車シャシー:ダラーラ/エンジン:Honda/タイヤ:ファイアストン
■■■ポイントスタンディング■■■
順位 No. ドライバー ポイント ビハインド
1位 9 S.ディクソン 455 リーダー
2位 3 H.カストロネベス 397 -58
3位 11 T.カナーン 365 -90
4位 10 D.ウェルドン 364 -91
5位 6 R.ブリスコー 296 -159
7位 27 武藤英紀 276 -179