INDY CAR

武藤英紀、初ポールポジション獲得のチャンスに非情の雨

<Formula Dream Indy>
<2008 IRLインディカー・シリーズ 第8戦アイオワIowa Corn Indy 250>
【日 程】2008年6月21〜22日
【開催地】アイオワ州ニュートン
【コース】アイオワ・スピードウェイ
【距 離】オーバルコース:0.894マイル(1.438km)
【天 候】21日:快晴のち雨/気温25℃
【時 間】午後5時30分〜(日本時間6月22日午前7時30分〜)
■■■6月21日予選■■■
<全長0.894マイルのハイバンクコース>
 今年で2回目の開催となるアイオワ州デモインでのインディカー・イベントは、合同テストとして金曜日に2回のプラクティスセッションがスケジュールされていた。
 アイオワ・スピードウェイのコーナーは、最大14度という大きな傾斜のバンクになっている。その上、路面が非常にスムーズでグリップも高いことから、コースサイズは小さいが非常に速いスピードを保っての走行が可能だ。
 せっかくIRLが用意したテストデイであったが、降雨のために夕方のセッションはキャンセルとなり、出場26台のドライバーたちは、初日は結局2時間しか走行できなかった。
<初走行のコースでトップタイムをマーク>
 武藤英紀にとってアイオワ・スピードウェイでの走行はこの金曜が初めて。しかし、0.894マイル(約1.438km)のショートオーバルに素早く順応し、68周を走ったテストセッション1回目に4番手となる好ラップタイム=17秒6041を記録した。
 走行2日目の土曜日午前中に行われた公式プラクティス1回目でも武藤は好調をキープ。自己ベストを17秒4023まで縮めてみせた。朝から日差しの照りつける中、路面コンディションは前日と若干異なってはいたが、武藤はセッションで最速となるラップタイムをマークしたのだ。武藤はこのセッションで104周を走り込んでレースセッティングのファインチューニングに努めた。
<予選前のプラクティスでも2番手につける>
 公式プラクティス2回目は、日中の気温が高い時間帯に行われた。ここでも武藤は安定した走りを続け、2番手となる17秒4735のタイムを記録した。
 そして午前中にマークした17秒4023は、2セッション総合でのトップタイムであった。武藤は夕方の5時半から始まる予選にポールポジション候補として臨むこととなったのだ。
<最悪のタイミングで訪れた雨雲>
 2人のドライバーが午前中のプラクティスで激しくクラッシュし、予選と決勝への進出を断念。予選は24人によって争われることになった。武藤のタイムアタック順は6番目。今回も予選アタック順はくじ引きで決定されたが、チップ・ガナッシ・レーシングとチーム・ペンスキーのドライバーたち4人が武藤より前の順番でアタックを行うという珍しい状況となっていた。アンドレッティ・グリーン・レーシングのチームメイト3人は武藤より後ろの順番だが、コースへと入る前に打ち破るべきラップタイムがある程度明らかになっていたというわけだ。
 しかし、予選は3人目のアタッカー、エリオ・カストロネベスがウォームアップラップを行っているところで雨が降り始め、その約1時間後に予選のキャンセルが決まった。天候の回復と路面の乾燥に長い時間がかかると判断されたからだった。武藤は残念ながらポールポジションを目指したアタックを行うことができず、ポイント順でのグリッド決定というルールにより、明日のレースは7番グリッドからスタートすることと決まった。
■■■コメント■■■
<武藤英紀>
「自分としては予選を走りたかったです」
「昨日からのプラクティス3回の中で予選シミュレーションを何度かやっていました。雨が降ってしまったけれど、自分としては予選をやりたかったですね。走った2人のタイムを見ても自分たちは結構いけたはずだと思います。
 マシンのセッティングは、小さく変更しただけでフィーリングが大きく変わるところがあって、まだこれだという仕上がりにはできていません。チームメイトたちもそれは同じです。
 このコースはオーバーテイクが難しいと思いますが、ロングランになってタイヤが消耗してきた時に良い状態のマシンにできていれば抜けるだろうし、トラフィックに引っ掛かった時にもチャンスは生まれてくるはずです」

<レイ・ガスリン:レースエンジニア>
「いったんトップに立てば、ヒデキをパスできるドライバーはいないはずだ」
「ポールポジションを獲得できるチャンスだっただけに本当に悔しい。自分たちの仕上がり具合から見て、悪くとも4位にはなれていたはずだった。7番手グリッドは決して悪いスタートポジションではないが、アイオワのコースはオーバーテイクが難しいので、7番手よりもっと上位からスタートしたかった。それができる状況にできていただけに残念だ。
 明日のレースでは、ミルウォーキーのように1回の小さなミスでポジションを4つも5つも下げることになると考えられる。一切油断はできない。そして、我々としては燃費やピットストップなど、あらゆる要素を動員してヒデキをひとつでも前のポジションに出すよう全力を上げる。いったんトップに出れば、ヒデキをパスできるドライバーはいないはずだ」
■■■スターティンググリッド■■■
順位  No. ドライバー       ポイント
1位   9  S.ディクソン         284
2位   3  H.カストロネベス       249
3位  10  D.ウェルドン         217
4位  11  T.カナーン          204
5位   6  R.ブリスコー         169
7位  27  武藤英紀           159
※スターティンググリッドは第7戦終了時のポイントスタンディング順
※全車シャシー:ダラーラ/エンジン:Honda/タイヤ:ファイアストン