<Honda>
アメリカ合衆国におけるモータースポーツ活動を統括するホンダ・パフォーマンス・ディベロップメント(HPD)は、インディ・レーシング・リーグ(IRL)との協力関係を継続し、来年以降の5年間、IndyCarシリーズにエンジンを供給する決定を下した。
Hondaは2003年の開幕戦からIndyCarシリーズでの活動を開始し、2006年以降はこのシリーズにレーシングエンジンを供給する唯一のメーカーとなった。2003年から2005年までの間、HondaはIndyCarシリーズにおいて強力なライバルだった他のエンジンメーカーを相手に49戦中29勝という成績を収めた。その中には、インディアナポリス500マイルレース(Indy500)での優勝や、2004年、2005年のIndyCarシリーズにおける、ドライバー、メーカーの両タイトル獲得も含まれている。1994年から2002年にかけてCART(Championship Auto Racing Teams)シリーズで記録した65勝と合わせ、Hondaはアメリカ合衆国におけるフォーミュラカー・シリーズで合計128の勝ち星を挙げた。
全17戦で争われた2007年シーズンには、36名のドライバーがHonda Indy V-8(HI7R)を使用し、走行距離の合計は16万6608マイルに及んだ。その間、決勝レースで発生したエンジントラブルは1度しかなく、多大なストレスのかかるレーシングエンジンでは稀なほどすぐれた設計と製作の精度を実証した。2007年のIndy500においても、Hondaは2年連続で出走33台すべてにエンジンを供給していた。また、その2年間には、ともにエンジントラブルでリタイヤしたマシンが1台もいないという、Indy500史上この2回しかない記録を樹立している。
IRLは6月に複数のメーカーが参加する円卓会議を開き、将来的な車体とエンジンに関する規則を忌憚なく話し合うことを23日に発表している。
■エリック・バークマン(Eric Berkman) HPD社長
「インディ・レーシング・リーグに参加した6年の間、Hondaは他メーカーと競合する状況でも、唯一のエンジン・サプライヤーとなった後も、目覚ましい成功を収めてきた。自社のエンジニアに技術的なチャレンジの場を提供するという意味でも、Hondaの製品の優秀性を広く世界に知らしめる役割においても、HondaはIndyCarシリーズに参戦してきたことを大きな歓びとしている。自動車メーカーの代表者たちを来月インディアナポリスに招くというIRLの決定は、私たちにとっても喜ばしいものだ。私たちはIndyCarシリーズが今後も発展を続けること、また他のエンジンメーカーが参加する可能性に期待を寄せている」
■ブライアン・バーンハート(Brian Barnhart) IRL運営責任者
「本日、Hondaが明らかにした決定は、きわめて競争力の高いパッケージが安定して維持されるという点で、非常に素晴らしいことだ。HondaがIndyCarシリーズに引き続き力を注ぐことは、私たちを勇気づける材料であり、サーキットの内外でシリーズの発展を促すべく、進んでさまざまな助力を与えてくれた」