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インディ・カー・シリーズ 第5戦 インディ500【カーブ・デイ】フォト&レポート

<US-RACING>

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雨に祟られている今年のインディ500。セカンド・デイはキャンセルされたものの、残りの3日間の予選は行われ、無事に33台のグリッドが決まった。今週末の決勝を控えた金曜日のカーブ・デイは、ドライバーとチームにとってレース・セット・アップを煮詰める最後の機会となるのだが、雨のためにプラクティスはわずか12分で終わることになる。

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かつてエンジンのキャブレターを最終調整していたことで名づけられたキャブレーション・デイ(略してカーブ・デイ)。その名の通り、明後日の決勝レースを見据えた最終セット・アップを行うプラクティスなのだが、今朝降った雨の影響で開始時間が15分遅れた。11時15分の開始と同時にディクソンを先頭にして24台のマシンがコース・イン。6分後の11時21分には全33台がコースに出てイラストレーション・ラップを行う。ところがさらに6分後の11時27分、ターン4付近で小雨が降りだしてイエロー・フラッグ。全車がピットに入ると路面乾燥作業を行うためにセーフティ・トラックが出動する。しかし、雨は時間が経つごとに勢いが増し、セーフティ・クルーによる懸命の作業もむなしくプラクティスは終了時刻を迎えた。時折打ち付けるように激しく降る雨は、午後2時を前に小康状態となるものの、一向に止むことはなく、2時57分にピット・ストップ・コンペティションのキャンセルが発表されたのに続き、午後3時30分に全ての日程がキャンセルとなる。午後12時30分に予定されていたインディ・ライツのレースは、翌日の午後12時10分に延期されることになった。

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プラクティスに先立ち、午前10時15分から行われた記者会見でホンダ・エンジンの契約延長が発表された。今年でアメリカン・オープン・ホイール挑戦15年目を迎えたホンダ。CART時代を含めたこれまでに128回もの優勝を挙げているエンジン・マニュファクチャラーは、2009年から5年間、インディカーへのエンジン供給を続けることになった。「インディ・レーシング・リーグでの6年間、他のマニュファクチャラーたちと戦ったときや、単独のエンジン・サプライヤーとなったときの両方で、ホンダは素晴らしい成功を収めてきました。高い意識を持って、これからも進み続けたいと思います」と語るのは、ホンダ・パフォーマンス・ディベロップメント社長のエリック・バークマン。2006年から単独のエンジン供給となっているホンダだが、ライバルの登場はいつでも歓迎すると以前からバークマンが話している。今回の会見で、ライバルとなる他のマニュファクチャラーが参加しやすいような技術環境を整える話し合いが行われていることも併せて発表された。

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日程のキャンセルが発表された後、メディア・センターの4階では、チップ・ガナッシのドライバーで今回Wii Fitのスポンサーを受けるアレックス・ロイドと、チームメイトのスコット・ディクソン、ダン・ウエルドンによるWii Fit体験が行われた。日本ではすっかりお馴染みのWii Fitだが、ガナッシの3人は初体験。スタッフのレクチャーを受けながら、インディカー・ドライバー持ち前の運動神経で、スキー・ジャンプやフラフープのゲームをこなしていく。3人のドライバーが一人ずつ同じゲームを行い、ロイドとディクソンがゲームをしている間は、ウェルドンが実況を務めて場を盛り上げ、高得点が出れば自然と拍手が沸き起こるなどとても和やかなムード。ドライバーの3人も童心に返ったように、ゲームを楽しんでいた。

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雨にも関わらず、今日のカーブ・デイには多くの人が訪れ、ガソリン・アレイは人でごったがえしていた。プラクティスの再開を待つ間、ファンはグッズ・ショップで買い物をしたり、雨宿りをしながら売店で買った軽食を食べたりする一方、雨を避けるためにグランド・スタンドで過去のダイジェストをビール片手に見るなど、過ごし方は様々。しかし、結局日程はすべてキャンセルされてしまい、インディカーの走行を殆んど見ることなくファンは家路に付くことになった。雨続きのインディ500だが、レース・デイは雨が降らないことを祈る。