INDY CAR

初のストリートコースは14番グリッドからスタート

<FORMULA DREAM INDY>
<2008 IRLインディカー・シリーズ 第2戦セント・ピーターズバーグHonda Grand Prix of St. Petersburg>
【日程】2008年4月4〜6日
【開催地】アメリカ・フロリダ州
【サーキット】セント・ピーターズバーグ市街地特設コース
【距離】1.81マイル(2.912km/特設ストリートコース)
■■■4月5日 予選■■■
【天候】快晴(28℃)
【時間】午前10時55分〜12時25分(日本時間5日23時55分〜)
<第2戦はストリートレース>
 開幕戦を先週終えたばかりのIRLインディカー・シリーズは同じフロリダ州内を移動してセント・ピーターズバーグで行われるストリートレースの第2戦を迎えた。今年も好天に恵まれ、強い日差しと海風の中での戦いとなっている。飛行場の滑走路と一般道を使った全長1.8マイルのコースに集まったインディカー・マシンは、開幕戦よりも1台多い26台だ。
<走行初日に3番手タイムをマーク>
 武藤英紀はロードレース出身。昨年のセント・ピーターズバーグではインディ・ライツ・シリーズ(旧インディ・プロ・シリーズ)に出場し、行われた2レースのうちの1レースで2位フィニッシュの好成績を残している。
 リラックスして臨んだ金曜日のプラクティス2回目も、3番手につける好タイムをマーク。そのプラクティスでターン10のタイヤバリアにヒットするアクシデントを起こしたものの、マシンに対するダメージは小さく、上位で戦える自信をもって予選日を迎えた。
<新方式の予選>
 今年からIRLインディカー・シリーズのロードコース予選は、F1グランプリの予選にも似た3段階方式が新たに採用となった。コース上の混雑を避け、全員が能力をフルに発揮してアタックできるように導入されたシステムは、ポールポジション争いに向けて1段階ごとに緊張感が高まる戦いとなる。
 出場全台数はまず、くじ引きで2グループに分けられ、第1段階から第2段階へと進めるのは、ぞれぞれのグループの6人ずつ=合計12人。第2段階では12人が半分の6人へと絞り込まれ、その最終段階でポールポジションを含むトップ6のグリッドを争う。第1段階は20分間、第2段階は15分間、最終段階は10分間の走行時間となっている。
<武藤は第1グループに出走>
 武藤が走るのは第1グループと決まった。最強のライバルになると見られたのは、先輩チームメイトのトニー・カナーンで、彼以外にもダレン・マニング、グラハム・レイホール、ライアン・ハンター・レイといった面々が同グループに配された。
 予選前までのラップタイムからすると、武藤が予選の第2段階に進むのは当然と見られていた。実際、武藤はずっと5番手をキープ。セッション終盤になって路面コンディションがよくなり、タイム短縮がさらに期待できる状況になった。ここで武藤も新タイヤを投入したが、前を行くマシンが遅く、クリアラップを取ることができなかった。その間にふたりのドライバーが武藤を上回るタイムを出し、武藤は7位へと後退。予選第2段階に進むことができず、スターティンググリッドは14位と決まった。
■■■コメント■■■
<武藤英紀>
「クリアラップを取れず悔しいが、明日は確実にポジションを上げていきたい」
「マシンはオーバーステア気味でしたが、調子自体は良かったと思います。予選では路面のグリップが上がっていき、そのコンディションにセッティングを合わせるべくピットインをしました。行った変更は良く、アタック1周目で1分3秒2が出ました。次のラップには1分2秒台に入れそうだという手ごたえでした。もしそれができていたら、次の段階へと進めたでしょう。今回は新品タイヤを投入するタイミングが遅すぎた上、予選終盤にクリアラップが取ることができませんでした。悔しいですね。チェッカーのタイミングが迫っていたので、前
のマシンとの間隔を空けるためにスピードを落とす時間的余裕もありませんでした。タイヤを新品に換えるタイミングや、最後のアタックに向けてピットアウトするタイミングについては、自分でももっと判断をしてもよかったと思います。明日のレースでは焦らず、確実にポジションを上げて行きたい。作戦も大事になってくるでしょう。スタート直後の1コーナーでの混乱を避け、完走、そして上位フィニッシュを目指します」
<レイ・ガスリン:レース・エンジニア>
「作戦をヒデキと話し合って決勝に臨みたい」
「2セット目のタイヤを投入してからが勝負だった。しかし、そこでクリアラップを取れなかったばかりか、前を行くクルマに追いついてしまった。本当に小さなタイム差で予選の次の段階へと進むことができなかった。うまく戦えれば、第1グループでのトップ6に入ることはできていたはずだ。新しい予選方式に我々チーム全体が慣れなくてはいけない。次のロードレースでは、今回よりも上手な戦い方を目指す。明日のレースに向けてマシンのセッティングをどんなものにするのか、それは今日、ヒデキとじっくりと話し合って、フルタンクの重い状態で安定させる方向性など、いろいろなことを検討するつもりだ。14番手からのスタートでは、作戦も当然重要になってくる。上位陣がピットインしたタイミングでコースに残り続けるなどの作戦を採り、レースの流れを上手く予測してポジションを上げていく、という戦い方をしたい」
■■■予選結果■■■
1.81マイル(2.912km)                    出走26台
順位 No. ドライバー      タイム     平均速度mph(km/h)
1位 11  T.カナーン     1’02.5332    103.627(166.771)
2位  8  W.パワー      1’02.6096    103.499(166.565)
3位 02  J.ウィルソン    1’02.6426    103.444(166.477)
4位  3  H.カストロネベス  1’02.6462    103.438(166.467)
5位  6  R.ブリスコー    1’02.7071    103.338(166.306)
14位 27  武藤 英紀     1’03.2757    102.409(164.811)
※全車シャシー:ダラーラ/エンジン:Honda/タイヤ:ファイアストン