INDY CAR

インディ・カー開幕戦ホームステッド【初日】フォト&レポート

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12年ぶりに統一されたアメリカン・オープン・ホイール・レーシングの開幕戦。この歴史的一戦でポール・ポジションを獲得したのは、2003年シリーズ・チャンピオンのスコット・ディクソンだった。今年からインディ500と同じ、4ラップの平均スピードで争われた予選は、ルーキーのジェイ・ハワードや、昨年のレース・ウイナーであるダン・ウエルドンまでもがクラッシュする波乱の展開となる。その中、ディクソンはハワードがクラッシュする前の11番目にアタックを行い、それまでのドライバーより1マイル以上も速い213.341mphのスピードを記録。クラッシュによる2度の中断を挟んだあと、ディクソンを追い詰めたのは、ラスト・アタッカーで登場したエド・カーペンターのみで、そのほかのドライバーは、213マイル台にすら届かなかった。カーペンターもディクソンに0.03マイル及ばず、そのままディクソンはキャリア9回目のポールを確定させた。「2度の大きなクラッシュがあって、大変な予選になったね。4ラップ方式の予選はとても興味深かったよ。僕が予想していなかったヴィジョン・レーシングの2人が2位と3位に来たから、明日の作戦を考えなくちゃいけないね。明日のレースは面白くなりそうだよ」と明日の展望を話すディクソン。5年ぶりのタイトル奪回に向け、スタート・ダッシュを図りたい。

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予選2位獲得という驚きの結果を残した、ヴィジョン・レーシングのエド・カーペンター。この日ラスト・アタッカーで登場したカーペンターは、アタック・ラップの2周目までトップのディクソンを上回るペースで走行していた。3周目にディクソンのペースを下回るものの、まだ平均スピードではディクソンを上回っており、最終ラップに注目が集まる。そして最終ラップ、何とかペースを保ちたいカーペンターだが、一度落ちたペースを取り戻すことが出来ず、掴みかけたキャリア初ポール・ポジションが、わずか0.03マイルの差で手の中から消えてしまった。それでもキャリア初めてのフロント・ロー獲得は、本人も納得の予選結果のようだ。「こんなに速く走れるとは思わなかったよ。オフシーズンの間にチームがすばらしい仕事をしてくれたおかげだね。明日に向けてこの頑張りを継続しなくてはいけない」と喜ぶカーペンター。蛍光イエローにカラーリングを一新したマシンで、初優勝の偉業を成し遂げられるだろうか。

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3位には同じヴィジョン・レーシングのA.J.フォイト4世が続き、ヴィジョン・レーシングがトップ3に2台も入る大躍進を遂げた。2月27日と28日に行われたオープン・テストでも、チップ・ガナッシ、チーム・ペンスキーとアンドレッティ・グリーン・レーシングに次ぐ結果を残していただけに、ダーク・フォースとして見られていたヴィジョン・レーシングだが、ここまでの活躍は誰も予想していなかったはずだ。「今日の走りには満足しているよ。マシンは一日を通して調子が良くなっていて、この前のテストと同じくらいよかった。クルーは予選に向けてセッティングを微調整してくれたのも良かったね。明日が待ちきれないよ」と興奮するフォイト4世。明日のレースはヴィジョン・レーシングの2台が、ポール・ポジションのディクソンとどう戦うのか、目が離せない。

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昨年のレース・ウイナーがまさかのクラッシュ。ジェイ・ハワードのクラッシュによって中断されたセッションは、12分後のダン・ウエルドンのアタックから始まった。しかし、ウエルドンがターン4を立ち上がり、アタック・ラップに入ろうとしたその瞬間、ハワードと同じようにリアがブレイクし、マシンの左サイドからウォールに激突。マシンはそのまま滑走し、ホームストレートの芝生まで来てようやく停まった。大破したマシンを前に呆然と立ち尽くすウエルドン。昨年のレース・ウイナーのクラッシュに、場内も騒然とした。「ターン3、4でバランスが乱れてコントロールできなかったんだ。とても残念だよ」と悔しがるウエルドン。明日は24番手からホームステッド4連覇を狙い、猛追を誓う。

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アンドレッティ・グリーン・レーシングの緒戦で、予選9位を獲得した武藤英紀。18番目のアタッカーで登場し、ウォーム・アップ・ラップを207.135mphで通過すると、予選アタックは安定して211マイル台を刻み、211.508の平均スピードを記録した。最初のレースということもあり、リスクのない範囲でセッティングをしていたという武藤は、チームメイトのカナーンやダニカよりもやや外側の走行ラインを選び、慎重に予選ラップをまとめる。本人はあとコンマ1