INDY CAR

インディ・カー・オープン・テスト セブリング【三日目】 フォト&レポート

<US-RACING>

画像

3日目を迎えたセブリングのテストは第2グループの走行が開始され、ペンスキー、チップ・ガナッシ、ドレイヤー&レインボールド、A.J.フォイト・レーシング、パンサー・レーシングの5チーム8台のマシンが参加した。第一グループの残したタイヤ・ラバーにより、今日のコース・コンディションは最初の2日間に比べると格段に向上。セッション開始直後から速いタイムが記録され、ペンスキーのライアン・ブリスコーは、昨日トニー・カナーンが記録したベストタイムを、コンマ1秒も上回る52秒7757をマークするほどだった。「セッション中にどんどんタイムが上っていくように思えたね。昨日走ったマシンのラバーがまだ残っているんだろう。コンディションが変っていくから、ときどきタフなこともあるけど、全体的にテスト内容は良かったよ。いろんなセット・アップも試して、セント・ピーターズバーグで必要となるデーターベースを作ろうとしているんだ」と話すブリスコー。得意とするロードコースできっちりまとめ上げてきた。チームメイトのエリオ・カストロネベスも2位に入り、ロードに強いペンスキーが1-2を独占する上々の仕上がりを見せている。

画像

ホームステッドのオープン・テスト初日に1-2を独占したチップ・ガナッシ勢は、ペンスキーの後塵を拝し、3-4位となった。トップのブリスコーとは0.7秒以上のタイム差を開けられており、少々苦戦気味に見える。ダン・ウエルドンはこの日二番目に多い69周をこなし、スコット・ディクソンも長い時間をかけてセッティングに取り組んでいたが、ペンスキーに迫ることができなかった。昨年のセント・ピーターズバーグでもエリオ・カストロネベスに勝利を奪われているため、チップ・ガナッシ勢はバンピーなストリートが不得意なのかもしれない。

画像

ペンスキーとガナッシの二強に続いたのは、ドレイヤー&レインボールドのバディ・ライス。65周を走りこみ、ガナッシのディクソンにコンマ3秒差につけるタイムを記録した。昨年のデトロイトを思わせる快走で、ライスも仕上がりに自信を見せている。「ビッグ3のうち2チームと同じくらいのペースで走れているのは、とても良いことだよ。僕たちは冬の間中、何が必要なのかを考えてきたからね。デトロイトでは速さを見せることが出来た。今日も速かったってことは、セント・ピーターズバーグでも速いってことだよ」と喜ぶライス。昨日のA.J.フォイトや今日のライスなど、ビッグ3を脅かす第4勢力がますます力をつけているようだ。

画像

A.J.フォイト・レーシングへの残留が決まったダレン・マニング。今日は得意のロード・コースのはずが、トラブルのためか周回数は最も少ない25周にとどまり、タイムも54秒3847と伸び悩んだ。「ほんとうのところ、タイム・アップには苦しんでいるよ。でも、確実に進歩していると思うんだ。マシンのハンドリングはすばらしいから、メカニカル・グリップを失わないでスピードを上げることが課題になるね」と、マニングのトーンも少々弱い。昨年ロード・コースで見せた快走を再現できるだろうか。ところでこの日、シリーズの合併に際してインディカーのチームがサポートするチャンプ・カー・チームの割り当てが発表され、A.J.フォイト・レーシングはパシフィック・コースト・モータースポーツをサポートすることになった。チップ・ガナッシとKVレーシング、レイホール・レターマンとニューマン/ハース/ラニガンの組み合わせはすでに既報の通りだが、新たにアンドレッティ・グリーンがデイル・コイン、ヴィジョン・レーシングがコンクエスト、ペンスキーがウォーカー・レーシング、ロス・レーシングがミナルディ・チームUSAをサポートすることが決定した。

画像

名門復活を狙うパンサー・レーシングは、新しいテクニカル・ディレクターに、ヘンリ・ディランドが加入したことを発表した。デュランドは20年間F1で活躍し、そのうち11年をマクラーレンのチーフ空力エンジニアとして過ごした。在籍中にはアイルトン・セナ(1990〜91)とミカ・ハッキネン(1998〜99)がワールド・チャンピオンを獲得しており、パンサーにとって心強い見方となりそうだ。今日のヴィットール・メイラは54秒4123のタイムで7位と振るわなかったが、新加入のテクニカル・ディレクターやニュー・スポンサーも発表され、着々と復活への好材料が増えてきている。

画像

今日も一日雲に覆われていたセブリング・インターナショナル・レースウェイ。時折、雲間から太陽の光が漏れることもあり、写真のようなちょっぴり幻想的な光景が広がった。気温も昨日と変わらず27度。日が差さないこともあって、寒くもなく暑くもなくすごしやすい一日だった。テスト終了間際にぱらぱらと雨が降り出したが、すぐに止んでしまい、テストに支障をきたすことなくセッションが終了した。初日を除けば、不安定な空模様が続いているセブリング。明日は午後から雨が降るという予報もあり、チーム関係者は気がきでない。