<Champ Car World Series>
ある者がサンノゼ・グランプリ・アット・レッドバック・レースウエイで最も重要なのは、土曜日の予選だといった。それはシリコン・バレーの中心地に造られた狭いストリート・サーキットが、パスする機会の少ないレースを演出するからだ。だが、今年のレースでそれが間違いであることが証明され、ロバート・ドーンボス(#14ミナルディ・チームUSAコスワース/DP01/ブリヂストン)は、15番手スタートから怒涛の追い上げでビクトリー・サークルにたどり着いた。
全車が完璧なスタンディング・スタートを決めたあと、セバスチャン・ブルデイ(#1マクドナルド・コスワース/DP01/ブリヂストン)はターン1でリードを獲るが、続くターン2でミスを犯し、ポール・シッターのジャスティン・ウイルソン(#9CDWコスワース/DP01/ブリヂストン)に、再びトップを明け渡した。先頭争いの一方、タイトなヘアピンで渋滞となっていたマシンたちは、止まってしまいそうなくらいスピードが遅くなった。不運にもドーンボスは十分にスピードを落とすことが出来ず、このオランダ人はヤン・ヘイレン(# 34チャンプ・カー・グランプリ・オブ・ベルギー・コスワース/DP01/ブリヂストン)のマシンに、フロント・ウイングを乗り上げてしまう。ヨーロッパ出身の二人はピット・インを強いられ、これによってフル・コース・コーションとなった。
隊列がグリーン・フラッグに向けて準備をしていたとき、ダン・クラーク(#4ミナルディ・チームUSAコスワース/DP01/ブリヂストン)が、ウイルソンに追突して二人ともピット・レーンへ。ウイルソンはサスペンションとドライブ・トレインのダメージ修復のため20周遅れとなる。その間クラークはコースに戻り、キャサリン・レッグ(#11デイル・コイン・レーシング・コスワース/DP01/ブリヂストン)と接触してレースを終えた。接触から数周後、レッグはターン2のウォールに激突してしまい、イエロー・フラッグが振られる。これによって、ドーンボスには通常と違うピット戦略を採用する機会が与えられた。
先頭争いに話を戻すと、オリオール・セルビア(#7インデック・コスワース/DP01/ブリヂストン)がトップに立ち、PKVレーシングのニール・ヤニ(#21レッド・ブル-ガルフストリーム・コスワース/DP01/ブリヂストン)は2番手につけていた。この二人は一日中バトルを続け、まずヤニが34周目のターン1でリードを奪う。グリーン・フラッグ中のピット・ストップが終わったあと、ヤニを追い上げたセルビアが2周連続してターン1で抜きにかかった。ノーズひとつ分は抜け出すものの、ヤニは彼のスペースを確保し、セルビアをヘアピンの立ち上がりで刺し返す。次の周でセルビアはもう一度パスを仕掛け、今度はリードを奪うことに成功した。
すべての人が先頭争いに釘付けとなっている間、ドーンボスは軽い燃料で速いラップ・タイムを叩き出し、有利な展開に持ち込もうとしていた。彼がグリーン・フラッグ中のピット・ストップを終えたとき、このオランダ人は3番手でコースに復帰することが出来た。彼はフィニッシュまでにもう一度ピット・ストップが必要だったのだが、76周目にタイミングよくイエローとなり、全車が最後のピット・ストップを行うと同時にピットへ向かった。
ドーンボスのミナルディ・チームUSAのクルーは彼をトップで送り出し、ヤニとセルビアがそれに続いた。リスタートではヤニがコスワース・パワー‐トゥ‐パスを使い、第1コーナーでドーンボスを抜き去る。だが不運なことに、ヤニとPKVレーシングは最後のスティントでレッド・ブリヂストン・オルタネート・タイヤを使う選択をしていた。ソフト・コンパウンドのタイヤは確かに速いラップ・タイムを出せるものの、最後の25周を持ちこたえるだけの寿命がなかったのだ。そしてフィニッシュまで11周となったとき、ドーンボスは残された2秒のパワー‐トゥ‐パスを使って、ターン1でヤニを抜き去った。
それからドーンボスはヤニとの差を6秒まで広げて逃げ去った。この優勝によってドーンボスは、ポイント・リーダーのブルデイに対し、10点差まで迫る。スイス人ルーキーのヤニは最終ラップにセルビアからポジションを守り抜き、二人のドライバーはそれぞれ2位と3位になった。
チーム・オーストラリアのウィル・パワー(#5オージー・ヴィンヤーヅ・コスワース/DP01/ブリヂストン)は、4位でフィニッシュし、ポイント・リーダーのブルデイとの差を2点だけ縮めた。ブルデイはトラブルを抱えた彼のマシンと格闘しながら5位に入った。6位でレースを終えた18歳のグラハム・レイホール(#2メディ|ゾーン・コスワース/DP01/ブリヂストン)は、最初のピット・ストップでのエンジン・ストールから追い上げた。
デイル・コイン・レーシングのブルーノ・ジュンケイラ(#19サニーズBBQコスワース/DP01/ブリヂストン)は7位に入り、トリスタン・ゴメンディ(#22ペイ・バイ・タッチ-メガスピエラ・コスワース/DP01/ブリヂストン)が8位。ヘイレンはシーズン・ベストの結果を残し、コンクエスト・レーシングで9位となった。シモン・パジノウ(#15オージー・ヴィンヤーヅ・コスワース/DP01/ブリヂストン)は、10位でフィニッシュしている。
チャンプ・カー・ワールド・シリーズの次のレースは、ジェネラック・チャンプ・カー・グランプリが、ウィスコンシン州エルクハート・レイクにある名高いロード・アメリカのロード・コースで開かれる。イベントは8月10日金曜日のプラクティスと予選から始まり、レースは8月12日、日曜日現地時間午後2時(東部時間午後3時)に開始予定。その模様はABCで生中継され、レース・ファンはチャンプ・カー・ワールド・シリーズの公式ウエブ・サイトwww.champcar.ws にあるレース・ディレクターを通じて視聴が可能だ。
トップ3インタビュー
ロバート・ドーンボス: 「難しい週末の後だから最高の気分だよ。とにかく今週はすばらしいフィニッシュになった。残りのシーズンもこんな感じで行きたいね。みんなのモチベーションも一気に上がったから、チームにはとても感謝しているよ」
ニール・ヤニ: 「多くのラップ・リードを獲りながら、優勝できなかったのは残念だよ。最後まで走りきって、優勝することを望んでいたからね。だけど、次回はブラック・タイヤをつけてレッド・ブル-ガルフストリームのマシンが走るべきだとわかったよ」
オリオール・セルビア: 「今日はインパクト・レンチにトラブルがあって、最後のピットで2つ順位を落としてしまったんだ。勝てると思っていたからショックだよ。先週のエドモントンでは、フォーサイスのクルーがピット・ストップで多くの順位を上げてくれていたからね。とにかく、ニールとロバートの二人はとても強かったよ」