INDY CAR

エリオ・カストロネベスがスコット・ディクソンとのし烈なバトルの末にセント・ピーターズバーグで今季初優勝

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<Honda>
2006年4月2日(日)・決勝
会場:セント・ピーターズバーグ市街地(全長1.8マイル) 天候:快晴 気温:28℃
 2006年IRL IndyCarシリーズ第2戦Hondaグランプリ・オブ・セントピーターズバーグは、昨年からシリーズに加わったロードコース・イベントだ。メキシコ湾に面するフロリダ半島東側のリゾート地で開催されるレースは、シリーズ唯一の市街地レースである。金曜に始まったプラクティスからセント・ピーターズバーグのレース・ウィークエンドを通して素晴らしい天候に恵まれ続けた。全長1.8マイル、14のコーナーを持つコースを100周して争われる決勝レースも快晴の空の下、満員の観客を集めて行なわれ、5番グリッドからスタートしたエリオ・カストロネベス(マールボロ・チーム・ペンスキー/ダラーラ)が、予選2位だったスコット・ディクソン(ターゲット・チップ・ガナッシ・レーシング/パノス)との凄まじいバトルを制して今シーズン初優勝、そしてロードコースでの初勝利を挙げた。

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Photo by Honda
 予選でポールポジションを獲得したのはダリオ・フランキッティ(アンドレッティ・グリーン・レーシング/ダラーラ)だった。フランキッティはコースレコードとなる1分2秒2753を記録して今シーズン初のポールポジションを手に入れた。
 フランキッティはスタートでトップを守ると、2位以下を突き放す快走を見せたが、サスペンショントラブルで序盤にしてリタイアとなった。その後はディクソンとカストロネベスのトップ争いとなり、これはゴールまで続いた。

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 ゴールを3周後に控えた97周目、6位を争っていたバディ・ライス(レイホール・レターマン・レーシング/パノス)とトーマス・シェクター(ヴィジョン・レーシング/ダラーラ)が激しく接触。2台はそろってリタイアし、レースはフルコース・コーションに。そして、そのままフィニッシュを迎え、勝利はカストロネベスのものとなった。3位はトニー・カナーン(アンドレッティ・グリーン・レーシング/ダラーラ)のものとなった。

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 今回の優勝によって、開幕戦で2位フィニッシュしているカストロネベスはポイント・リーダーに躍り出た。開幕戦で優勝したダン・ウェルドン(ターゲット・チップ・ガナッシ・レーシング/パノス)はフルコース・コーション中に他車と接触してリタイアし、16位でのゴールとなったからだ。

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 スーパーアグリ・フェルナンデス・レーシングからIRL IndyCarシリーズに出場する松浦孝亮は、予選9位からスタートし、7位という結果となった。決勝日の朝のプラクティスでアクシデントを起こし、急遽修復したマシンでの出場となった松浦だったが、レースでのペースは安定して速く、4位争いをリードする戦いぶりを見せていた。しかし、ライスとシェクターのアクシデントが発生した直後、彼らのマシンの破片を踏んでタイヤをパンクさせ、ピットでゴールを迎えることとなり、トップ5入りは果たせなかった。それでも、2戦連続のトップ10フィニッシュにより、ランキングでは5番手につけている。
 昨年度ルーキー・オブ・ザ・イヤーの女性ドライバー、ダニカ・パトリック(レイホール・レターマン・レーシング/パノス)は、14位からスタートし、6位でゴールした。
■エリオ・カストロネベス(優勝)
「最後はフルコース・コーションのままのゴールとなったが、本当に厳しい戦いだった。ずっと自分の限界ギリギリの走りを続けていた。去年は自分のコントロールできない部分でロードコースでフィニッシュすることができなかった。今年の自分たちは、やるべきことを的確にやって優勝を勝ち取った。開幕戦は惜しくも2位となったが、僕は悔しさよりも、いいシーズンのスタートを切れたことを喜んでいる。今回優勝したことでポイント・リーダーになることもできた。次の日本も難しいレースだ。これからも1戦ずつ全力で戦って行く」
■スコット・ディクソン(2位)
「今週は金曜の走り始めからマシンの調子がとても良かった。IRL IndyCarシリーズはとても競争が激しく、そこで出遅れてしまうとなかなかばん回をするのは難しい。今週もターゲット・チップ・ガナッシ・レーシングは金曜から競争力のあるマシンでの戦いを展開することができていた。惜しくも勝つことはできなかったが、全体的に見て素晴らしい週末になった」
■トニー・カナーン(3位)
「今日の僕のマシンは、3位でゴールするのが精一杯だった。ウイングを立て過ぎていたのか、ストレートでのスピードでライバルたちに差をつけられていた。ハンドリングも本当に完璧ではなかったから、100周のレースは体力的に本当に厳しかった。マシンが本調子でない時は、ドライビングでそれをカバーしようとするので、もっと体力を消耗するんだ。3位になるのが限界のマシンで3位でのゴールを実現した。そういう意味では納得の行く週末にできた。もちろん、次のロードレースでは優勝できるマシンに仕上げたい」

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■松浦孝亮(7位)
「最後にタイヤをカットしてしまったのは不運でした。自分の前でクラッシュした2台の破片を踏んでしまったためでした。5位でフィニッシュできていたレースだったと思います。決勝日の朝にクラッシュをしてしまったのは僕のミスでしたが、クルーが本当に素晴らしい仕事ぶりでマシンを直してくれ、レースには問題なく出場することができました。本当に感謝しています。レースでのマシンは少しアンダーステアでしたが、前のクルマについて行くことはできていたし、最後はバディ・ライスとブライアン・ハータを押さえ切ってゴールできると考えていました。まだダリオ・フランキッティやエリオ・カストロネベスたちと本当のトップ争いをするレベルにロードコースのマシンを作りきれていません。次のロードレースでは、もっと速いマシンにしたいですね。開幕戦6位、今回は7位とコンスタントに成績を残し、ポイント・ランキングで5位につけることができています。この調子でさらに上位へと食い込んで行きたいと思います」
■ロバート・クラーク:HPD社長
「レース中のエンジントラブルは一切なく、我々の最も重要な目標は達成された。レースでは激しいバトルが見られ、エキサイティングでみどころも多い内容となり、集まってくれたファンは存分にレースを楽しんでくれたことと思う。まだ正確な数字は聞いていないが、チケットの販売は去年よりずっと多かったし、スタンドの埋まり具合、パドックやピットを歩くことの大変さから、観客数が昨年よりもずっと多いと感じられた。
 今日のレースでは松浦孝亮選手も素晴らしい戦いぶりを見せていた。最終的に不運に見舞われたが、参戦3年目とあって経験を積み重ね、それを活かしていることが明らかなレースを戦っていた。チーム内の体制変更も成功しているようだ。次のツインリンクもてぎでは、過去2年以上のパフォーマンスを発揮し、上位での戦いを見せてくれることだろう。
 今回のレースで使ったエンジンは、来週の水曜日にインディアナポリスでのテストに投入する。エンジンの開発は順調に進んで来ている。Indy500に全チームへと供給する、1200マイルを走ることのできるエンジンは、予定通りに用意できるはずだ」