INDY CAR

松浦孝亮、序盤にクラッシュに巻き込まれ不運のリタイア

<SUPER AGURI FERNANDEZ RACING>
2005 IRLインディカー・シリーズ第15戦
「ピーク・アンチフリーズ・インディ300・プレゼンテッド・バイ・ミスタークリーン」
■■■9月11日決勝■■■
天候:晴れ/気温:30.5℃/時間:時間:13時45分〜(日本時間12日2時45分〜)
<序盤にしてアクシデントに巻き込まれる>—————————–
11番グリッド、6列目イン側から第15戦シカゴランドの決勝レースをスタートした松浦孝亮のパナソニックARTA/パノス・Hondaは、20周目にターン3とターン4の間で発生した2台によるアクシデントに巻き込まれ、不運のクラッシュを喫した。今シーズンは特に後半戦に入ってから厳しいレースが続いていた松浦だが、全長1.5マイルの高速オーバル、シカゴランド・スピードウェイでのパナソニックARTA/パノス・Hondaの仕上がりに自信を持っていた。しかし、その実力を見せることができずにリタイアという非常に悔しい結果に終わった。
<ファイナルプラクティスで7番手のタイムをマーク>————————
予選は急作りのマシンであったために存分にパフォーマンスを発揮できなかった松浦だったが、レースに向けての最終プラクティスでは7番手につける好タイムを記録した。松浦はトラフィックの中でのハンドリングにも自信を得て、決勝スタートを心待ちにしていた。ところが、レースでのパナソニックARTA/パノス・Hondaは右リヤの挙動がおかしく、松浦はハンドリングが万全でないためにポジションを18位まで下げざるを得なかった。ピットインをしてタイヤを交換することも検討したが、周回遅れにならないために走行を続け、1回目のピットストップまで粘り強く走り続けることになった。
<アクシデントを無事に回避したかに思えたが>————————-
アクシデントはハンドリング不調でポジションを下げたところで発生した。200周のレースが20周目を迎えたところ、ターン3の出口でアレックス・バロンとライアン・ブリスコーが接触した。2台は絡み合うようにしてアウト側のSAFERウォールにクラッシュ。ブリスコーのマシンは宙を舞ってキャッチフェンスにヒットした。
松浦はアクシデント現場を無事にすり抜けたのだが、彼らが撒き散らしたマシンの破片に乗ったのか、突如としてスピン。マシンの左後方から壁にヒットした。ドライバーの松浦にケガはなかったがマシンへのダメージは大きく、第15戦は19周で終了となった。
■■■コメント■■■
<松浦孝亮>
「次のワトキンスグレンでは自分らしいレースを見せたいと思います」
「非常に残念なアクシデントに遭ってしまいました。ファイナルプラクティスでのマシンは本当に良いハンドリングだっただけに、とても悔しいです。右リヤのダンパーか、タイヤのプレッシャーがおかしかったのではないかと思いますが、スタート直後からマシンは腰砕けの状態で、突然オーバーステアになるのではないかという心配をしながら走っていました。それでも、ピットに入ってしまうと完全に周回遅れとなってしまうので、何とか1回目のピットストップまでは走り続けるつもりでした。アクシデントはターン3で発生しました。ライアン・ブリスコーとアレックス・バロンが壁に激しく突っ込んでいくのを見て、その現場をうまく通過できたと思ったのですが、その直後に誰かがぶつかってきたのかと感じるような衝撃がありました。衝撃の直後にスピンしたので、多分何かを踏んづけてしまったのでしょう。ガレージに戻ったマシンをチェックしたら、フロアに大きな穴が開いていました。まだレースは始まったばかりのところで、1回目のピットストップ後からポジションを上げていこうと考えていたのに、思わぬトラブル、そしてアクシデントに巻き込まれてのリタイアとなってしまったのはかなり残念です。次のワトキンスグレンでは絶対に自分らしいアグレッシブなレースを見せたいと思います」
<サイモン・ホジソン:チームマネージャー>
「中盤からの追い上げを目指していたが、本当に不運なアクシデントだった」
「スタート直後、コウスケはハンドリングの不調を訴えていた。右リヤの挙動がおかしく、スピードを上げられないと彼は無線で伝えてきた。タイヤの内圧はテレメトリーでチェックしていた限り何の問題もなく、バイブレーションも発生してはいなかった。我々はコウスケと無線での交信を続け、ピットに入ってチェックすることも検討したが、その時にコウスケはすでに集団からは離れており、良いラップタイムを記録できるようになっていた。そこで我々はそのまま走行を続け、1回目のピットストップでトラブルを解明し、中盤からの追い上げを目指すこととなった。アクシデントはそこで発生した。不運にもコウスケは2台のマシンから飛び散った破片にヒットしてしまい、クラッシュを喫した。あれだけ多くのマシンが接近して競い合っていた状態でアクシデントに巻き込まれたマシンが少なかったのは奇跡的だった。しかし、その1台が我々のマシンであったのは本当に不運であったと言わざるを得ない。クラッシュしたライアン・ブリスコーのけがの具合が気になる。大した怪我ではなかったとの情報を得ているが、彼の1日も早い回復と、レースへの復帰を望んでいる。今回ほどの大きなアクシデントでブリスコーが大きな負傷を負わずに済んだのはパノスシャシーのモノコックが極めて頑丈であったためだろう」
<鈴木亜久里:チーム代表>
「マシンは悪くなかったがスタート直後のハンドリング不調が痛かった」
「今日は右リヤのダンパーか何かがおかしかったようで、序盤からハンドリングが悪くてズルズルとポジションを下げてしまった。あれが全てだった。マシンにトラブルさえなければコウスケはもっと前の方でレースができていた。それが、危ないポジションへとどんどん下がっていかざるを得なくなった。大きなアクシデントで飛び散った破片の中でも大きなものがマシンにぶつかってしまったようで、スピン、クラッシュという残念な結果になった。まだレースは始まったばかりで、ハンドリングが悪くても1回目のピットストップまで走り続けて、そこで対応をしようと考えていた。燃料が少し軽くなってきてからは1周の平均時速も215マイルが出せていたし、トラブルは何かあったのかもしれないが、決してマシンは悪くなかったと思う。何が本当の原因だったのか今の時点ではわかっていないけれど、スタート直後からトラブルを出してしまったのが今回は致命的だった」