<US−RACING>
空港の滑走路を使用する人気のテンポラリー・ロード・コース、クリーブランド。最初のプラクティスではトレイシーがトップとなるも、予選では前戦ポートランドでチャンプ・カー復帰後の初優勝を遂げたダ・マッタが、残り3分でトップ・タイムをマークしてみせた。好調を維持し、今季初のフロント・ロー・スタートを決めたダ・マッタ。2位トレイシー、3位ドミンゲスとフォーサイス勢が続き、4位がクリーブランド2連勝中のボウデイ、5位タグリアーニとベテラン勢が上位を占めた。
●プラクティス1:トレイシーのトップで幕を開けたクリーブランド
ポートランドで日曜日に決勝が行われた後、西海岸から五大湖沿いのクリーブランドまで大移動を敢行し、迎えた金曜日の初日。快晴となったこの日、午前11時15分から始まった最初のセッションでトップ・タイムをマークしたのは、トレイシーだった。通算30勝目を狙うトレイシーは59.371秒を記録。2位は5日前に優勝したばかりのダ・マッタ(59.670秒)で、クリーブランド3連勝を目指すボウデイ(59.768秒)が3位、このトップ3だけが1分を切った。
●プラクティス2:トレイシーとダ・マッタが58秒台に入れる
照りつける太陽で気温は32度を超え、予選前の最終調整を行う15分間のプラクティスが始まった。午後3時にグリーン・フラッグとなり、好調な仕上がりを見せるトレイシーが58秒台に突入する。58.811秒で朝のセッションに続く連続トップとなり、トレイシーの背後にはまたしてもダ・マッタで58.887秒。この二人だけが58秒台を記録し、3位はドミンゲスの59.262秒とフォーサイス勢が揃って上位に進出した。
●予選:残り3分でダ・マッタが逆転、初のフロントロー
午後3時26分から始まった初日の予選。開始から14分後、絶好調のトレイシーがこれまでのタイムを上回る58.725秒をマークし、その翌周には58.440秒までタイムを更新する。3時44分、前戦ポートランドで初ポール・ポジションを獲得したウイルソンも58秒台に入れる58.875秒を記録して2番手に上がったが、その2分後にプラクティスで2位だったダ・マッタが58.651秒を出し、ウイルソンとポジションを交代した。
2003年と2002年のチャンピオンが並んだところへ、3時47分、2004年の王者ボウデイが58.576秒を出して2番手に浮上。一瞬順位を落としたダ・マッタだったが、1分後に58.442秒とトレイシーに0.002秒差まで迫り、ボウデイを上回った。チャンピオンたちによる激しいタイムアタックの応酬となったクリーブランド。セッションはいよいよ終盤を向かえ、ゴールまで残り3分となった3時57分、勢いに乗るダ・マッタが58.436秒を叩き出してトレイシーを凌ぎ、トップに躍進。スタンドから大歓声が上がる。
ウイルソンがスピンしてストールしたことにより、3時59分に赤旗とチェッカーが同時に振られ、セッションが終了。白熱した予選をダ・マッタが制し、今季初のフロント・ローと1ポイントを獲得してランキング3位タイに並ぶ。2位は残り3分前までトップだったトレイシーが入り、3位にはチームメイトのドミンゲスが続くなど、フォーサイスの好調ぶりも際立った。終盤の逆転もさることながら、予選12位までが0.999秒ないに入る接戦となったことも見逃せない。