INDY CAR

ロジャー安川、残念ながらマシン・トラブルでリタイア

<DREYER & REINBOLD Racing>
インディカー・シリーズ第5戦89th Indianapolis500mile Race 決勝:5月29日(日)
今年89回目を迎える伝統の一戦、インディアナポリス500マイル・レース決勝、ロジャー安川(No.24車)は167周でリタイア(18位)となってしまった。また、INDY JAPAN 300から2戦連続スポット参戦でこのインディ500に初挑戦したジェフ・バックナム(No.44車)も、クラッシュに巻きこまれて、50周を残してリタイア(22位)という結果に終わった。インディ500決勝日は朝からいい天気に恵まれた。午前5時の大砲の合図とともにゲートが開かれ、ここ数年青空の下で行なわれたことのない決勝を見るため、多くのレース・ファンがインディアナポリス・モーター・スピードウェイに詰めかけた。
午前11時58分にトニー・ハルマン・ジョージの「レディ・エンド・ジェントルマン、スタート・ユア・エンジンズ!」の掛け声で、ドレイヤー&レインボールド・レーシングの2台、No.24車、No.44車ともにエンジン始動。3周のペースラップの後、元インディアナ・ペーサーズ(NBA)のレジー・ミラーが振るグリーン・フラッグでレースはスタートした。
オープニング・ラップで、安川は2ポジションアップするなど、出足は好調。18周目に早くもスピンしたクルマによるイエロー・コーションが出され、この間に安川も給油&タイヤ交換のためピットイン。しかし、ここで、安川のマシンにクラッチ・トラブルが発生する。このピット・ストップは問題なく再スタートができたものの、この後のピット・ストップではクラッチを使うことができず、ギヤをニュートラルに入れてストップ。再スタートは、スタッフがマシンを押してもらいギヤを1速に入れる、という押し掛け状態でのピットワークを強いられることとなった。そのため、他車と同時にピットインすることはクルーにとって危険なため、タイミングをずらしてのピットインとなり、イエローコーション下でもピットインをすると必ずグループの最後尾でのリスタートを待たねばならず、我慢のレースが続いていた。しかし、トップが171周に掛かったところで、クラッチのトラブルからエンジン・トラブルを誘発してしまったようで、エンジンから白煙が出始め、安川はマシンをピットに戻し、そのままリタイアとなってしまった。
一方のバックナムも、ラップダウンをしながらも25、26番手での走行を続けていた。しかし、155ラップ目のターン4で数台が絡むクラッシュがあり、バックナムもこのアクシデントに巻きこまれ、リタイアを喫してしまった。
これで、ドレイヤー&レインボールド・レーシングの2005年インディ500へのチャレンジは終了した。次は、6月11日(土曜日)、テキサス・モーター・スピードウェイで行なわれる今季初のナイト・レース、IRLインディカー・シリーズ第6戦「ボンバルディエ・リアジェット500」に安川が挑むこととなる。
ロジャー安川(ドライバー#24カー)
「今日は残念なレースとなってしまいました。スピード自体は悪くなくて、様子を見ながらポジションアップを図っていくつもりでしたが、クラッチのトラブルが出てしまって・・・。押し掛けでスタートしなければならず、そうすると、混み合っているタイミングでピットインはできません。ピットインのタイミングをずらせば、グループの最後尾に付くことになってなかなかうまくレース運びができない状況になっていました。それでもマシンのバランスはよく、自分のペースを守っていけば12位くらいには入れると思って走行を続けましたが、クラッチの問題からか、エンジンが止まりそうになってしまって、白煙が出始め、黒旗を出されてリタイアになってしまいました。次戦からまた1台体制ですが、ここ2戦、2台体制になったことで、このチームが他のチームと戦っていく上で何が必要か、ということをクルーが学べましたし、チームにも十分ポテンシャルがあることも証明できていると思います。あと、ほんのちょっとのことで、もっと前に行けるはずですし、いいリズムをつかんでトップ争いに加わっていけるようにがんばっていきます」
ジェフ・バックナム(ドライバー#44カー)
「(155周目のリスタートの際に)ダニカがスピンして、自分のイン側、そしてアウト側にも誰かがいたため、どこにも行くことができず、クラッシュしてしまった。右フロントにバイブレーションが出始めていたり、クルマは完璧ではなかったけれど、みんなはよくやってくれたし、この状況の中ではよかったと思う。ただ、リスタートの位置が悪かった、としか言いようがない。リタイアはしてしまったけれど、すごくいいレースができたと思っている」