<Honda>
IRL IndyCar シリーズ第4 戦BRIDGESTONE INDY JAPAN 300MILE(予選)
■開催日: 4 月29 日(金)<予選>
■開催地: 日本/栃木県芳賀郡茂木町
■サーキット: ツインリンクもてぎ
■コース全長: 1.5マイル(約2.4km)
■天候: 快晴
■気温: 28 度2005年のIRL IndyCarシリーズは、3月初旬の開幕以来、アメリカで3戦を行ない、シリーズ第4戦として日本へとやって来ている。ゴールデン・ウィーク中のレース開催は今年が初めてとあって、「BRIDGESTONE INDY JAPAN 300MILE」に対する注目度はこれまで以上に高くなっている。走行初日からツインリンクもてぎは初夏を思わせる好天に恵まれ、3回のプラクティスが順調に行われ、走行2日目の午後12時30分、公式予選は強い日差しの下、気温が30度近くにまで跳ね上がる暑さの中で行なわれた。
今回来日しているドライバーは23人。そのうちHonda Indy V-8を使うのは11人。その中から女性ドライバーのダニカ・パトリック(レイホール・レターマン・レーシング/Honda・パノス)が予選2位を獲得。明日のレースをフロントロー外側グリッドからスタートすることとなった。
ダニカがアタック2周目に記録した26秒7577は、ポールポジションのサム・ホーニッシュJr.(マールボロ・チーム・ペンスキー)との間に僅かに0.0311秒しか差のないものだった。Honda IndyV-8勢は7人がトップ10入りを果たした。2003年のもてぎウィナー、スコット・シャープ(デルファイ・フェルナンデス・レーシング/Honda・パノス)が3位、昨年ツインリンクもてぎでポールポジションから優勝したダン・ウェルドン(アンドレッティ・グリーン・レーシング/Honda・ダラーラ)は予選5位。
松浦孝亮(スーパーアグリ・フェルナンデス・レーシング/Honda・パノス)は9位で、昨年度シリーズ・チャンピオンのトニー・カナーン(アンドレッティ・グリーン・レーシング/Honda・ダラーラ)は10位となった。今回がインディカー・シリーズへのデビュー戦となるジェフ・バックナム(ドレイヤー&レインボールド・レーシング/Honda・ダラーラ)は18位で、マシンが原因不明の不調に陥っているロジャー安川(ドレイヤー&レインボールド・レーシング/Honda・ダラーラ)は予選21位という結果だった。
●ダニカ・パトリック(レイホール・レターマン・レーシング) 予選2位(26秒7577)
レイホール・レターマン・レーシングが私に素晴らしいマシンを与えてくれた。Hondaパワーも自分たちにはあるし、パッケージングは最高のものになっている。そうしたことが今日の結果に繋がったんだと思う。私とバディ(・ライス)、ヴィットール(・メイラ)、そしてエンジニアたちが全員で協力して、プラクティスを重ねるごとにタイムを縮めて来た。予選に向けてのセッティング変更も決して大きなものではなかったけれど、それが全部正しい方向に向いたものだった。小さなプラスの積み重ねがあった。ポールを逃したのは本当に残念だし、とても悔しい。タイム差は無いに等しいぐらいに小さなものだったし。明日のレースでは、ピットイン、ピットアウトをスムーズに行なうこと、多くのマシンが自分のすぐ近くを走り続ける状態に慣れることなど、私にはまだマスターしなければならないことがたくさんある。空気の流れでマシンが受ける影響というものを完全に把握し切っているわけじゃないから
●スコット・シャープ(デルファイ・フェルナンデス・レーシング) 予選3位(26秒7638)
昨日の走行開始から、走るたびにマシンは良くなって来ている。これはチームの持つ能力の高さを証明するものだ。INDY JAPAN 300MILEは僕にとっても、デルファイ・フェルナンデス・レーシングにとっても重要なレースだ。Hondaの地元で行なわれるレースだし、僕らのスポンサーにとっても日本は母国だから。そうした大事なレースで良いパフォーマンスを発揮できていることは大変嬉しい。予選3位はとても良いスターティング・ポジションだ。ツインリンクもてぎはオーバーテイクの難しいコースだから、上位のグリッドを獲得することの持つ意味は大きいんだ。明日は自分の前には1台しかマシンがいない状態でレースが始まる。スタートしたら、なるべく時間をかけずに誰も自分の前を走っていない状況を作りたいと思う。
●ダン・ウェルドン(アンドレッティ・グリーン・レーシング) 予選5位(26秒7937)
今朝のプラクティスに比べて、予選は暑い中で行われた。コンディションの変化に対してのセッティング変更が、今回はパーフェクトではなかった。エンジニアリングの面で小さな判断ミスがあったと思うし、そこには僕自身の意見も含まれている。昨日のプラクティス1回目にはブレーキにトラブルが出て、僕らは与えられた時間をフルに使えなかった。こんなことは非常に珍しいのだけれど、今日の朝のプラクティス3回目にもマシントラブルが発生。すべての時間を使い切ってマシンを良くする作業ができなかった。こうした苦しい状況下でチームは頑張ってくれ、予選ではまずまずの走りを実現することができた。
●松浦孝亮(スーパーアグリ・フェルナンデス・レーシング) 予選9位(26秒8826)
予選用セッティングを施したマシンが、まだ自分たちの期待する通りのパフォーマンスに到達できていないのと、今日はアタック2周目にシフトチェンジがうまく行かなかったことでタイムロスがありました。しかし、決勝用のセッティングは非常に良くできていますから、明日のレースに向けては全然心配はしていません。とても安定したタイムを出し続けるマシンにできていますし、タイヤの消耗も全然問題ない。いいレースを戦える自信があります。決勝を重視したマシン作りを進めて来ていて、週末としての流れは自分たちにとってとても良いものになっています。
●ロジャー安川(ドレイヤー&レインボールド・レーシング) 予選21位(27秒6819)
調子の良かったホームステッド・マイアミ・スピードウェイと車体はまったく同じものを使っているのですが、昨日の走り始めからずっとスピードが出ていないんです。その原因を特定することができず、チームメイトと同じセッティングにしても自分の方だけタイムが伸びて来ない。なにか根本的な部分に大きな抵抗になっているものがあるとしか考えられない状況です。ハンドリング自体は決して悪くはないので、ファイナル・プラクティスまでにもう一度マシンをチェックして、トラブルが解決された状態でレースに臨みたいと思います。
●ロバート・クラーク:HPD 社長
ツインリンクもてぎというコースは極めてユニークで、エンジンパワーが大きな意味を持つ反面、マシンのハンドリングもラップタイムを決定する上でのウェイトが高い。出場3メーカーのエンジンは、まだその実力差を判断することは難しいのですが、昨年までよりも3つのエンジンの力が接近していることは間違いありません。ポールポジションを獲得できなかったことは残念ですが、Honda Indy V-8のパフォーマンスは良かったと思います。ダニカ・パトリックの2位を始めとして、トップ11位までに8人が食い込んでいるのですから。少なくとも1人のHondaドライバーがフロントローから6列目までに並んでいる。明日の我々は本当に力強いレースを戦えるはずです。ツインリンクもてぎでのINDY JAPAN 300MILEは、我々にとって非常に大きな意味を持つレースです。ポールを獲得できませんでしたが、それ以上に重要なのがレースで勝利することす。