IRLインディカー・シリーズ第15戦は西海岸の大都市ロサンゼルスから50マイルほど内陸にあるフォンタナが舞台。1997年に完成した全長2マイルのスーパースピードウェイ、カリフォルニア・スピードウェイでは1周の平均時速が215mph(約346km/h)に到達する超高速、全開バトルが展開される。スーパーアグリ・フェルナンデス・レーシングのパナソニックARTA/パノスGフォース・Hondaを駆る松浦孝亮は、フォンタナと同じレイアウトのミシガン・インターナショナル・スピードウェイでトップ争いに加わっており、スーパースピードウェイでの戦いを得意としている。チームのエンジニアリングスタッフは、スピードがある上に安定したマシンを作り上げることに実績と自信を持っているのだ。
■日時:10月3日(決勝)
■開催地:カリフォルニア州フォンタナ
■サーキット:カリフォルニア・スピードウェイ
■天候/気温:快晴/30℃
IRLインディカー・シリーズ第15戦は西海岸の大都市ロサンゼルスから50マイルほど内陸にあるフォンタナが舞台。1997年に完成した全長2マイルのスーパースピードウェイ、カリフォルニア・スピードウェイでは1周の平均時速が215mph(約346km/h)に到達する超高速、全開バトルが展開される。スーパーアグリ・フェルナンデス・レーシングのパナソニックARTA/パノスGフォース・Hondaを駆る松浦孝亮は、フォンタナと同じレイアウトのミシガン・インターナショナル・スピードウェイでトップ争いに加わっており、スーパースピードウェイでの戦いを得意としている。チームのエンジニアリングスタッフは、スピードがある上に安定したマシンを作り上げることに実績と自信を持っているのだ。
しかし、予選前のプラクティスまではスムーズに進んでいたが、予選ではマシンが完調ではなく、22台出走中の18位にとどまった。さらに予選後に行われた最終プラクティスの後半に電気系統のトラブルが発生したため、スーパーアグリ・フェルナンデス・レ−シングは決勝に向けてエンジンの換装を決断した。予選を終えた後にエンジンを交換すると、ルールによってグリッドは最後尾へと下げられる不利を被るが、予選で得られたグリッドが18番手だったこと、さらに、松浦よりも予選成績の悪かったドライバーの中に同じくエンジン交換を行ったチームがあったことにより、松浦のスターティンググリッドは1列下がっただけで、出走21台中の20番手、10列目外側となった。
予選日に続いてフォンタナはレースデイも素晴らしい快晴に恵まれた。西海岸の内陸部とあって空気は乾燥しており、気温は高いものの非常に過ごしやすい1日となった。松浦は1回目のピットストップが行われた11周目までにポジションを17位にアップ。しかし、アンダーステアが強く出ていたためにポジションをさらに上へと進めていくことは難しかった。それでも、粘り強い走りを続け、2回目のピットストップを終えた55周目には松浦は15位まで浮上していた。
その後、ピットでセッティングに変更を施してもハンドリングは改善されず、松浦は苦しい状況下でマシンをコントロールし続け、13位で完走。ルーキー間のポイント争いで2位につけているエド・カーペンターが松浦のひとつ前の12位でゴールしたことから、点差は35点へと縮まった。しかし、残るレースは最終戦のテキサスのみ。栄えあるボンバーディア・ルーキー・オブ・ザ・イヤー賞の獲得にまた一歩近づいた。
優勝は最終ラップにトップに躍り出たエイドリアン・フェルナンデスが飾り、今回のレースで惜しくも2位に敗れたトニー・カナーンがシーズン最終戦のテキサスを待たずにシリーズチャンピオンを決定した。
[B]●松浦孝亮[/b]
「クルマのフィーリングが悪く、辛いレースになりました。次戦は新品のモノコックを投入するので良くなるはずです」
「昨日のファイナルプラクティスの後にエンジンを交換しました。スタートしてみると、思った以上にクルマのフィーリングが悪く、辛いレースになりました。ピットイ ンでウイングのセッティングを変えるなど色々と試したものの、これでは解決しませんでした。今日のマシンは、ターン1側を単独で走っている時にはそんなに問題が無かったのですが、トラフィックとも呼べない距離なのに、少しでも風の影響を受けると一気にアンダーステアになってしまいました。エイドリアンとベースのセッティングは一緒で したが、僕のマシンは同じようには動きませんでした。次の最終戦には新品のモノコックを投入するので、マシンはきっと元通りに良くなるはずです」
●鈴木亜久里 チーム代表
「セットアップが決まらない苦しい状況だが孝亮は我慢して悪いなりにマシンを走らせている」
「この何戦かずっとセットアップが決まらないし、エイドリアンと一緒のセットにしても同じように走らない。予選前のプラクティスではそれほど悪くない状態だったが、レースでは最初からアンダーステアが出ており、集団の中を走れる状態ではなかった。そうした苦しい状況下で孝亮はよく我慢して走っていた。このごろ感じるのは、彼が本当によく我慢をしているということだ。悪い時には悪いなりにマシンを走らせている。原因がモノコックにあるのか、ほかにあるのかはハッキリわかっていないが、次の最終戦にはすべてを取り換えて臨む。そうすれば必ずレースができるポジションに戻ってこられるはずだ。今の状況では、レースをしているとは言えないからね」
●トム・アンダーソン マネージング・ディレクター
「今日のレースでコウスケは多くのことを学び取ったはずだ。最終戦は必ずトップを争うパフォーマンスを取り戻してみせる」
「フォンタナのレースは非常に難しいものだ。レースでのコンディションは刻々と変化し、それらすべての状況に合ったマシンを望むことなどできない。ドライバーたちは与えられたマシンの最高の部分を引き出す走りを求められる。経験が大きくものをいうコースなのだ。しかし、経験は一夜にして身に付けられるものではない。コウスケは素晴らしい才能を持つドライバーとして、今日は多くのことを学び取ったことだろう。今日のレースに彼は満足してないはずだが、それは当然だ。彼の才能と、Hondaエンジン、パノスGフォースシャシーというコンビネーションなら、もっと上位を走り、もっと良い結果を手にすることもできたはずだ。残念ながら今回はそうすることができなかったが、最終戦テキサスでは必ずやトップを争うパフォーマンスを取り戻してみせる」
スーパーアグリ・フェルナンデス・レーシング公式ウェブサイト
www.superaguri-fernandez.jp