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チャンプ・カー・ワールド・シリーズ 第2戦 モンテレイ【二日目】レポート

<US-RACING>
●ボウデイが開幕戦に続き2戦連続ポール獲得
初日の予選を完全制覇したトレイシーが最終予選を棄権する番狂わせの中、ポール・ポジション争いを演じたのは朝のプラクティスのトップだったセルビアと、驚異の新人ボウデイ。最終的にボウデイがコースレコードを破る64.938秒を終了1分前にマークし、開幕戦に続く2戦連続ポールポジションを獲得。第1予選トップのトレイシーが2番手で、タグリアーニが3番手、セルビアは4番手からスタートする。

●初日絶好調のトレイシーが朝のプラクティスでマシンを大破、セルビアがトップ

午前10時を迎えた二日目、1時間15分のプラクティス・セッションがスタートしようとしていたモンテレイの湿度は94パーセントと高いが、気温は16度前後と比較的凌ぎやすい。予定どおりにグリーフラッグとなった最後のプラクティス・セッション、午後の最終予選へのセットアップと日曜日の決勝レースに向けて、各マシンが続々とコースインした。

スタートから22分が過ぎた時点で、昨日の予選6番手だったボウデイが前日トップのトレイシーを凌ぐタイムを記録。早くも16秒台で走行している。チームメイトのジュンケイラも16秒台に乗せ、このコースで2連覇中のニューマン/ハース・レーシングが好調ぶりを発揮。さらにフェルナンデス、トレイシーもベテランの意地を見せ、上位のタイムを記録してきた。

初日から快調にペースを保ってきたセルビアが、プラクティス半ばに差し掛かったあたりでトップに浮上。だがここからレッドフラッグが連続して出され、プラクティス・セッションは中断と再スタートを繰り返す。この間トップタイムの更新はなく、セルビアがトップの座をキープ。今年からローラに替えたセルビアはオフシーズンから好調だ。

チェッカード・フラッグまであと残り1分というところで、ほぼ同時にコースの3ヶ所でスピンが発生。特にターン4付近のウォールに激突したトレイシーのマシンは損傷がひどく、CARTオフィシャルはここで赤旗を提示し、セッションの終了を告げる。結局セルビアがトップのままプラクティスは終了。2番手ボウデイ、3番手にはフェルナンデスが入った。

●終了間際の最終アタックでボウデイがトップタイムを更新、連続ポールを獲得

午後1時45分をまわり、気温も27度へと上昇。例によってまず10分間のオープン・プラクティスからスタートし、このセッションではジュンケイラが朝のセルビアのタイムを上回る66.409秒を記録。ボウデイも自らのタイムを約0.2秒短縮した。タイムアタック開始まで規定の10分間のインターバルをおき、2時5分にいよいよ40分間のタイム・アタックがグリーンフラッグ。

初日にトップタイムを記録して暫定ポールポジションを獲得、すでにフロントローを得ているトレイシーは、午前中のプラクティスでマシンを損傷してしまったため、タイムアタックせず。また、チームメイトのカーパンティエも風邪が悪化したことでホテルに戻って休養することになり、プレイヤーズの2台は最終予選を断念することになった。

スタートから4分後、フェルナンデスが66.735秒で暫定トップに立つ。そこから4分が経過したところで、フェルナンデスは自らのトップ・タイムを更新。コースに詰め掛けた地元ファンから熱い声援が響いたのも束の間、今度はセルビアがトップに。セッション開始から15分後、66.273秒をマークしたセルビアは、そのまま自己ベストタイムを65秒台へと縮めてきた。

勢いに乗るセルビアが65.768秒をマークしたその矢先、その次のラップにはボウデイが65.513秒を記録。だが予選終了7分前に再びセルビアが65.476秒でトップへと返り咲いた。このシーソーバトルは最後のさいごまで続き、チェッカード・フラッグまであと2分のところでボウデイが65.397秒と大逆転。15周のアタックラップを走りきってしまったセルビアには、もうなす術がなかった。

ボウデイは最後のアタックで、2001年にケニー・ブラックが記録したコースレコードを破る64.938秒のスーパーラップをたたき出し、駄目押しのタイムで見事2戦連続のポールポジションを獲得。終盤65.437秒をマークしたタグリアーニが2番手で、初日トップのトレイシーに続く2列目3番グリッド確保、セルビアは4番手スタートだ。5番手は地元期待のメキシコ人ドライバーの中でトップとなったジョルダイン、その隣には大先輩のフェルナンデスが続く。シャシーは相変わらずローラが好調でトップから8位までを独占し、レイナードのトップはルーキーのハンター‐レイだった。

明日はいよいよ決勝レース。ボウデイが今度こそポール・トゥ・ウィンを成し遂げるか。それともトレイシーがベテランの意地を見せて開幕2連勝を成し遂げるのか。日曜日は午前9時半から30分間のウォームアップ走行が行われ、午後1時30分に85周の決勝レースがスタートする。