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CARTチャンピオンシップ・シリーズ 第9戦 クリーブランド【プレビュー】

<US-RACING>
ここ数年チップ・ガナッシが連勝しているクリーブランド、果たして今年はどのような展開になるのだろうか?

非常にバンピーなバーク・レイクフロント・エアポートに特設されるテンポラリーロードコースで、チップ・ガナッシは過去4年連続でポールポジション(96、98年ジミー・バッサー、97年アレックス・ザナルディ、99年ファン・モントーヤ)を獲得している。しかも97、98年はザナルディが優勝し、昨年はモントーヤが優勝と、この状況からいくと今年もチップ・ガナッシが優勢のようだが……。

今シーズン、不運なリタイヤが続いているものの圧倒的な速さを見せるモントーヤのトヨタ・ローラは、消化した8レースでなんと計500周以上ものリードラップを奪っている。メカニカルトラブルさえ起きなければ、クリーブランドで優勝に一番近い男がモントーヤといってもいいだろう。

今季3回しか完走していないモントーヤは、現在46ポイントでランキング8位となっている。モントーヤはクリーブランド戦に向けて「クリーブランドのコースはパッシングする事ができるポイントがたくさんある上、ボクのドライビングスタイルにとても合ったコースレイアウトだと思う。ジミーとも話していたんだけど、今のボクにはとにかくレースを走りきることが必要だ。マシンはレースで勝つための高いポテンシャルを持っているから、走りきれば結果は自然と付いてくると思う。ボクとジミーはこれからガンガンいくよ」と語っている。

総合ポイント54でポイントスタンディング5位のバッサーも「我々チップ・ガナッシはレースで勝つ条件をすべて持っているからね。全体的にトヨタ・ローラのマシンは非常に高いポテンシャルを持っているし、ボクも含めてチームメンバーの誰一人も焦ってはいない。これからどんどん巻き返していくさ」と余裕のコメント。確かに速さではナンバー1のチームだけに今週はいったいどのようなレースを見せてくれるのだろうか。

さて、クリーブランドでチップ・ガナッシ以外から優勝候補を挙げるとすれば、現在絶好調のペンスキーが真っ先に思い浮かぶはずだ。現在チームはここ最近の4戦中3戦でレースを制しており、チームの状態は最高。レイナードシャシーにも独自の改良を加えて、現在はそれが非常にうまくいっているようだ。

特に現在総合ポイント67でランキング2位のジル・ド・フェランは、ここクリーブランドで95年はポールポジション獲得し、96年に優勝。昨年は2位に入賞しており、コースとの相性もなかなか良いようだ。また、今シーズン念願の初優勝を獲得したチームメイトのエリオ・カストロネベス(ポイントスタンディング9位:44ポイント)も、好調をキープ、この2人も今週のレースが待ち遠しいのではないだろうか。

今シーズン優勝こそ無いものの着実に上位入賞してポイントを稼ぎ、ポートランド戦終了時点でポイントスタンディングトップに躍り出たロベルト・モレノは総合ポイント68。モレノのフォード・レイナードは、ポートランドではペンスキーの2台に続いて予選3位に入っており、なかなかいいセッティングが出ている上、モレノはポートランドで唯一2ピットストップでフィニッシュしている。モレノの燃料をセーブするドライビングテクニックはクリーブランドでも大きなアドバンテージになるだろう。

ポートランドでノーポイントに終わり、ついにポイントスタンディングトップの座から脱落してしまったポール・トレイシーは現在ランキング3位。ここ3レースでノーポイントに終わってしまっているトレイシーとしては、なんとしても今週ポイントをゲットしておきたいところだろう。

56ポイントで4位のマイケル・アンドレッティは、ポートランドで3位に入ったチームメイトのクリスチャン・フィッティパルディに続いて4位入賞、着実にポイントを稼いでいる。初日の結果から見ても、フィッティパルディを含めクリーブランドではいい結果が期待できそうだ。

上位の各ドライバーは、クリーブランドでの結果次第でポイントスタンディングでトップに立てる可能性もあるだけに、その戦略が注目される。オーバーテイクポイントの多いクリーブランドのコースで、各ドライバーはきっと激しいバトルを見せてくれることだろう。また、ホンダはこのクリーブランドでCART50勝目と、テンポラリーコースの17連勝、クリーブランドの5連勝がかかっている。

注目の決勝はアメリカ東時間の午後1時にグリーンフラッグ!