Hiroyuki Saito

Tornado

4月上旬に開幕したインディカー・シリーズは、先週末のカンザスのレースで、もう3戦が終了しましたね。来週からはインディ500が始まるんですよ。早いですねぇ。4月は時間の流れをめちゃくちゃ早く感じました。まぁ、こんな勢いであっという間にもてぎの開催が近付いてくるんでしょうね。

今シーズン初のオーバル・コースのレースとなったカンザスは天候が悪く、初日はなんとかプラクティス、予選とインディカーはセッションを終了することが出来ました。しかし、夕方からスタートしたNASCARのトラック・シリーズのレースでは途中で雨が降り出して中断に。月曜日の午前10時から再開することになりました。

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それは大変だなって思ってメディアセンターで仕事をしていたのですが予想もしていなかった事態が……。なんとトルネードが発生しそうな雨雲が、このレース場の方角に向かってきているとテレビで放送されたんです。

アメリカにきて10年くらい経ちますが、トルネードが発生している現地にいるの初めてです。まぁ、アメリカ人でもトルネードに遭遇することって少ないでしょうから、そういう意味ではなんだか貴重な感じはしますが、生死に関わることなのであまりうれしい状況ではないですよね。

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コース場でも避難勧告が出され、チームクルーなども避難所に適したメディアセンターに集まってきました。その怪しい雨雲がこっちに向かってきている途中、実際にトルネード発生したようで、その通り道となった家屋が崩壊した様子がテレビで映し出されています。なんだかリアルにびびってきました。「これって結構、まずいんじゃね?」って。

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ちなみに「トルネードが来たらどうするんだぁ?」ってテレビ見ている人に聞いたら、「机の下に隠れるんだぁ」ですって。地震の時と一緒なんだなって、感心している場合でもないですが、天災時の隠れ場所は机の下という共通点があるんだって知りましたよ。

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テレビでは相変わらずこのコース場の方向に、その危ない雨雲が向かっていることを放送し続けています。多分、発生したら逃げるか隠れなきゃいけないだろうけど、以外だったのは、ここにいる人たち、そして自分も含め、意外と大丈夫なんじゃね? って、思っていることでした。

外の様子を見ていても多分、トルネードが発生しないだろうっていうちょっと楽観的な部分と、希望的な考えもあったのは確かです。今から逃げたって遅いだろうし、逃げた先で発生するかもしれないし、この付近で発生するかは分からないし、ある意味、なるようにしかならない状況ですからね。この場に留まってなんとかやり過ごすしかないなって。まぁ、発生したらいわれたとおり、机の下に隠れるかって。

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そうこう考えているうちに、幸いにもトルネードは発生することなく、その怪しい雨雲は僕らの居るレース場上空を通過して行きました。雨も徐々に弱くなり、外に出て上空を見上げたら、雨雲の流れの速さにはビックリしましたよ。

そんな天候だから決勝日も雨が降ると予報されていて、レース順延かなって思っていたのですが、怪しい雲行きでもなんとか雨は降ることなく、レースを終えることが出来ましたからね。女心とカンザスの空は分からないものです。

レースも無事終わって、月曜日にLAに帰るぞって勇んで飛行機に乗ったら、天候の不具合じゃなくて、機体の不具合でカンザスからデンバーまでの飛行機がキャンセルになって、結局、ロサンゼルス空港到着が5時間も遅れたのは残念でした。

まぁ、無事でなにより。

近況が長くなってしまったので、スイス旅情は次回に持ち越しますよ。