Hiroyuki Saito

フランス旅情 −もどかしいル・マンのパレード−

7月も終わろうとしているのに、まだル・マンネタで引っ張っているのもどうかと思いますが、予告もしているので最後までお伝えします。でも、今回が最後とはいいませんよ。ここからがある意味、個人的には一番ヨーロッパを感じた部分でもあるからです。
決勝日の前日に、ル・マンのダウンタウンでレースに参戦するドライバーのパレードがあると聞き、早速現場へと向かいました。車でも行けたのですが、停める場所もよくわからないし、渋滞もすごいと思ったので電車で移動することにしました。
サーキットを出てから歩いて5分ほどの場所に駅はありました。電車といっても路面電車といった感じでしょうか。僕たちと同じ目的でル・マン市内に向かう人々が長い列を作っていました。

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その列に並び、乗車券を買って電車に揺られること約20分。ル・マンのダウンタウンへと到着しました。場所は市内の中心地でちょっとした広場になっています。歴史を感じる建物が立ち並ぶ広場に近代的な電車が停車するのですが、アンバランスかといえばそうでもなく、不思議とその濃いオレンジ色の列車は街中に溶け込んでいます。
下車するとその広場はすでにパレードを見に来た観光客で溢れかえっていました。ドライバーやビンテージカーがパレードするのではと思われる通りには、すでに人垣ができています。若干遅れたのもあり、到着するとすぐパレードが始まったのですが、ヨーロッパ人の高い壁が視界を遮り、背の低い僕にはジャンプしても何が通っているのか見えません。
けたたましい排気音のマシンが右から左にと、通過しているのを音で感じることはできるのですが、見ることはできず、なんとももどかしいパレードになっています。広場にいても埒が明かないので見える場所に移動しなければと、その排気音の去った方向へと移動しました。

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誰に聞いたか忘れましたが、ヨーロッパで道路が石畳になっているような古い街は、自動車が誕生する前に建てられたものが多く残っているため道幅がとても狭いんです。車が街を通ることを前提には当時は建物を建てていませんからね。

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良い意味では間近でパレードを観ることができるので迫力があるのですが、それは道路すぐ脇にいる人と背の高い人だけ。歩道も狭いので何かに登らないと観ることができません。バス停の屋根の上に乗って観ている人もいましたよ。さすがに怒られていましたけどね。

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僕もなんとか椅子の上に乗ることができ、やっとパレードを見ることに成功しましたが、肝心のドライバーのパレードはすでに終わっていました。まあ、それでもその場の雰囲気を感じることができ、ル・マンの街並みを見ることができたので満足でした。

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しかし、ヨーロッパの建物ってこのような彫刻された石像が建物の一角によく出没していますよね。この彫刻作るだけでも相当大変なんじゃないかなって思いつつ、考えは地震があったら大変だべな、なんて地震列島育ちの余計な心配に変わるも、地震がないからこんな石造りの古い建物が残っているんだなって、サーキットに帰る電車の中でなんとなく気づきましたよ。
次回はパリで最後の晩餐です。