Hiroyuki Saito

パンプキン・カービング

ハロウィーンは日本であまりなじみのないものですが、アメリカを含め英語圏では欠かせない年間行事です。お店ではオレンジカラーのデスプレイが増えだし、でっかいかぼちゃがいっぱい売りだすと、そろそろそんな時期なんだなって感じます。
子供たちがお化けの仮装をして歩いている姿を見ると、とてもかわいらしいものです。それを見てはっと思い出すのがお菓子の用意です。もし、自分の家に子供たちが着たらキャンディでもあげなきゃいけません。
2〜3年前、ハロウィーンの日にたまたま用事もなく家で仕事をすることになったので、大人の嗜みとして念のためお菓子を用意しました。でも、キャンディってのもなんか代わり映えがないし、近所は日本人が多いことも知っていたので、かきピーを買っておきました。
子供たちと僕にとっても幸か不幸かわからないのですが、僕の家に仮装した子供たちは訪れることなく、そのかきピーは僕のお酒のおつまみになりました。ちょっと寂しかったのを覚えています。
さて本題に入りますが、この時期になると子供たちが中心になってハロウィーンには欠かせないかぼちゃのジャック・オー・ランタンを作ります。もともとは蕪(かぶ)を使って作っていたようですが、アメリカでは移民早期から刻みやすいかぼちゃで作り始めたようです。
アメリカに来てジャック・オー・ランタンを見ることは多かったものの、実際自分で作ったことはありませんでしたが、その機会は突然訪れました。先週末、友人宅で野球のワールドシリーズを観ながらパンプキン・カービングをするので来ないかと誘われたのです。

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パンプキン・カービング? 何のことだべとその時点では良くわかってなかったのですが、訪ねた友人宅のリビングに大きなかぼちゃが何個かあり、それをみてやっと理解しました。
ワールドシリーズ第3戦を観ながら夕飯を頂き、試合終了後、またロッキーズが負けちゃったねぇなんて思いつつもいよいよ製作がスタートしました。

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先ずはどのような顔にするかかぼちゃに下絵を書きます。その後、かぼちゃの中身を空洞にするため、かぼちゃの蔕周囲をカービング専用ナイフ(糸鋸の細くて短い感じ)で丸く切り抜きます。

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専用ナイフがあるのにちょっとびっくりですが、これがとても使いやすく、作業もスムーズです。かぼちゃ自体、中身は空洞ですが、種などが密集しているのでそれを取り除きます。この作業も専用のへらを使用します。専用道具2個目です。

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中身をうまく取り除くことが終了したら、いよいよ下絵の切り抜き作業です。これは結構緊張しますよ。意外なのはかぼちゃって見た目よりも結構柔らかくて、この切り抜く作業も簡単に出来るのです。ただその分切り過ぎたりしないように最新の注意を払います。

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完成です。名づけてスグル・オー・ランタン。やはり、大事な友人の玄関先で魔よけとして使うものなので、もしお化けが入ってきそうになったら超人レスラーにやっつけてもらおうという願いから製作しました。もちろん必殺技はキン肉バスターです。あ、手足がないから出来ないかな・・・・。

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まぁ、それはさておき、いよいよロウソクを入れて見ます。すると外では内側から発する光と闇の暗さで顔自体が真っ暗にみえるんですね。そう、キン肉マンの師匠、プリンス・カメハメ扮するキン肉マングレートに早替りではありませんか! なんとした奇遇。マッスル・ブラザーズの再来です。日中はキン肉マン、夜間はキン肉マングレートが魔よけをしてくれる完全無敵のランタンが完成しました。
細く切り込みを入れたシンボルマーク、“肉”という文字からもいい感じに光が放たれ、なかなかの出来栄えと自己満足に浸っていると、次々と友人達の作品が出来上がっていきます。

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この日は大小含め、計6点のジャック・オー・ランタンが完成しました。みなすばらしい出来栄えです。久しぶりにアメリカらしい週末の夜を過ごせ、しかもちょっとアメリカの文化も味わえたなかなかステキな夜でした。