下地塗装まで終えて、いよいよ本塗装に入っていきます。でも、その前にマシンのカラーリングを決めなくてはいけませんね。
チーム毎にワンオフでオリジナル・シャシーを製作するF1と違い、市販シャシーで争われるチャンプ・カー。そのため、模型でもひとつのキットで様々なカラーリングが楽しめるのが特徴です。このキットも、どれくらいあったのか正確に把握していませんが、結構なバリエーションがあったと記憶しています。自作デカールが製作できれば、その幅はさらに広がります。
実際は、当時のレギュレーションでチーム毎に細かな改造が許されていたため、よ〜く見ると、違うところがあるのですが、基本コンポーネンツは一緒なので気にしないで作るか、微改造で済んでしまいます。
キットのオリジナル・デカールは、この年のチャンピオン・チームであるチップ・ガナッシのものが付属していますが、以前にもガナッシのマシンを作り、今回が2作目と言うことで、できれば違うカラーリングにしようと考えていました。
そこで、チップ・ガナッシ以外のデカールを手に入れるため、メーカーに問い合わせてみることに。すでに発売からかなりの年数がたっている古いキットではありましたが、スペアデカールを3種類確保できました。意外と聞いてみるものですね。
その3種類が上の写真です。フォーサイス、チーム・レイホール、ウォーカー・レーシングとどれも強力なラインナップが揃いました。結構悩みましたが、今回、その中からセレクトしたのは、フォーサイス。ドライバーの選択は、もちろんカー・ナンバー99のグレッグ・ムーアです。当時最強といわれたチップ・ガナッシ/ホンダ勢を止めることができた好敵手のマシンを再現します。
ということで、本題の塗装を行いますが、グレーの下地のままでは明るい色が上手く発色してくれないので、まず、隠ぺい力が強い下地用のホワイトを重ねていきます。
今回、使用した塗料はフィニッシャーズのファンデーション・ホワイト。隠ぺい力が強い上に、光沢があるので、このまま白の塗料としてもつかえてしまう優れものです。
ここからはエア・ブラシを使って塗装しますが、要領はスプレー缶とほとんど変わらないです。変わるのは瓶詰めの塗料を薄めてカップを入れることぐらいですね。
ランニング・コストの上ではやはりエア・ブラシの方が若干低コストで、塗料を混ぜて思いのままの色を塗れるところは良い点です。
もちろんスプレー缶も良い点があって、メンテナンスが不要なところ。コツを掴めば簡単できれいに塗れるので、僕の場合は半々ぐらいの割合でエア・ブラシとスプレー缶を使い分けています。
まず、ファンデーション・ホワイトを別の空瓶にあけ、ピュア・シンナーで希釈していきます。塗料によって希釈率も変わってくるのですが、今回、最初は3倍に希釈したものを噴いて、全体に色をのせていきます。
ポイントとしては、おおよそ2〜30センチくらいの距離をとり、一定の方向で(右から左など)、かならず上から下に吹いていくのがいいと思います。決して一度に吹こうとはせず、時間をかけて丁寧にやるのがいいですね。
3回程吹いたら、今度は6倍に希釈したものを吹き付けます。濃い目の塗料を吹き付けると、どうしてもボディの表面に梨地が出来てしまいますので、希釈率の高い塗料を吹きつけ、梨地の表面を溶かしつつ色を重ねていきます。
ここでも対象物との距離はとても大切です。あまり近づけすぎると垂れてしまうばかりか、シンナー分が多いために表面を溶かしすぎて下地を出現させてしまう可能性があるのです。こればっかりは「慣れ」なので、どれくらいと言うのは難しいですね。何度かやっているうちに感覚がつかめてくると思います。
これも同じように3回程度吹き付け、白の塗り上げは完了。乾燥を待ってから、次の工程に移る前に、仕上げのクリアーを軽く吹き重ねます。仕上がりは写真のようになりました。
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