Hiroyuki Saito

ま、いっかー!? 第4話 おっちょこちょい

1月19日に日本を旅立ち、2月4日にアメリカから帰国しました。約2週間の滞在でしたが、今年初の取材はALMSのオープンテストから始まり、デイトナ24時間、IRLのオープンテストと立て続けに行われ、実に内容の濃いものでした。
特にデイトナ24時間は自分にとっても初の耐久レースだったので、強く印象に残りましたね。取材する側も24時間体制ですから大変でした。今回の取材でいろいろと紹介したいことがあるのですが、その話は次の機会にして、まずは3ヶ月半ぶりに対面したマイカーの話をしなければなりません。
久々にロサンゼルス空港に到着した僕は、迎えに来てもらった友人のKさんと共に家へと向かいました。到着して、まずマイカーを見に行くか、荷物を部屋に入れるか悩んだのですが、荷物を優先しました。マイカーがなかったり、無残な姿になっていたら、重い荷物を部屋に入れる気力がなくなりますからね。
一段落したので、早速マイカーを止めてある駐車場に向かいます。短い階段を下りると右手にその姿が見えるはず・・・・。覗き込むと所定の場所にマイカーはありました。まずは一安心。
今度は一番気がかりだった壊れたウィンドーの確認です。応急処置として下がらないようにテープで止めただけでしたからね。クルマに近づくにつれドキドキしていきます・・・・。

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ウィンドーは下がることなく周りの景色をしっかり映しこんでいました。テープの粘着力は重力に勝ち、ウィンドーは所定の位置にしっかりと残っていました。二安心です。
大きな不安要素はこれでなくなったので、今度はじっくりとクルマを見回し、他に変化がないか確認します。すると、後部ドアに張られているBUICKだったエンブレム(欠けているのでICK)の隣にあったはずのお気に入りのエンブレムが無くなっていたのです。

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サーフボードだと思うところが欠けているので、サーファーなのかはわかりませんが、波乗りしているように見え、哀愁があってちょっと気に入っていたエンブレムだったんですね。(ま、いっかー第2話の画像と見比べてください)盗まれたのか(こんな中途半端なエンブレム盗むのか?)、自然に剥がれてしまったのかは今となっては分かりませんが、なんだかお気に入りのキーフォルダーを無くしたような寂しさを感じました。

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他に異変はないか確認しましたが、フロントガラスのワイパーのところに落ち葉が積もっているくらいです。今年は少ないほうでしたね。鳥の糞もそれほどひどくありません。
気を取り直して、今度はエンジンが始動するか試します。クルマのドアを開け車内に入ると、古びたモーテルの部屋の匂いにかなり近い匂いが鼻腔をくすぐります。懐かしさを感じながら、ボンネットを開けるレバーを引きました。
早速、接続ケーブルをバッテリーに取り付け、鍵穴に挿したキーを回しましたが、ダッシュボード内のランプが全く光りません。セルモーターも全く回りません。バッテリーが完全に放電したんだと思い、Kさんの車とブースターケーブル(ジャンプケーブル)で繋いで再度挑戦しました。

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しかし、マイカーはうんともすんともいわないんですね。バッテリーを買うしかないかなって思いながら、とりあえず、マイカーの前オーナーで自動車整備工場のTさんに相談しに行きました。
バッテリーを購入しようと思っていたのですが、Tさんいわく「バッテリー・ブースターを使えばまず間違いなく動くから」っていわれたので、お借りして再び挑戦しました。結果はそれでもだめだったんです・・・・。

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やっぱり買わないとダメかなと思い、バッテリーの形式を覚えようと覗き込んだときです。プラスの接続ケーブルが2本あって、そのうちの1本が取り付けられていないことに気づいたんですね・・・・。これかと。
原因は他でもない自分自身の単純な取り付けミスだったんです。これまで何回も取り外しをしてきたのに、接続ケーブルが2本あるの忘れて1本だけつけて、「うんともすんともいわないねぇ」なんていってたんですね。

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ちゃんと2本接続すると、案の定、ダッシュボードのランプが光り、キーを回すとセルモーターが回りだし、エンジンも始動しました。回り出したセルモーターのようにあっちこっちと振り回してしまったKさんには、なんとも申し訳なかったです。はい。
マイカーを疑う前にこれからはまず、自分を疑うことにしようと考えを改める出来事でした。
その後、バッテリー・ブースターを返しに移動が可能になったマイカーで再びTさんのお店に行き、壊れたパワー・ウィンドーの修理と、スモッグ・チェック(アメリカでは2年に1度、排気ガス内の有害物質が基準以下になっているか調べなければならないのです。今回の目的はこれ)をお願いしました。
「日本帰る前には直っているよ」とTさんに言われ、安心してフロリダに旅立ったのですが、帰国直前に状況を聞くとまだパーツが届いておらず直っていないとのこと。
次の渡米までには直っていることを祈りますが、修理代がどれくらいかかるのか心配でもあります・・・・。