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第96回インディ500デイリー・クォリファイ・レポート

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5月20日【バンプ・デー】恒例のバンプ・アウトなしで予選が終了
 

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午後12時6分にS.デ・シルベストロからバンプ・デーの予選が始まり、午後2時4分のE.カーペンターで全車のアテンプトが終了。その後誰も予選を走ることなく、恒例のバンプアウトがないまま、第96回インディ500のグリッドが確定しました。
 

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決勝に進出する33台のうち、優勝経験者はカストロネベス(01、02、09)、フランキッティ(07、10)、ディクソン(08)の3人。95回のレース中、最多は92年の10人、最も少なかったのは初開催の1911年と翌12年で、ゼロ。それ以外は毎年いたそうですよ。
 

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最下位ではありましたが、アレジも無事に予選を通過。ある意味、同じF1出身のバリケロより目立っていたかも(笑)。彼らF1のスターを含む今年のルーキーは8人(他はパジノウ、ニューガーデン、レッグ、ジェイクス、カニンガム、クローゾン)で、昨年は5人でした。
 

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33人の中で最もインディ500を経験しているのは、3勝しているカストロネベスで、11回。しかし生きる伝説、AJフォイト(写真右)は58年から92年まで35年連続で参戦し、4度勝っています。回数で追いつくのはかなり難しそうですが、4勝目はいけそうですよね。
 

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インディ500で最もレースをリードしているのはフランキッティで、計306周。他に200周以上リードしたのはディクソン(293)、カストロネベス(231)、カナーン(214)で彼だけが未勝利。33人中トップ走行経験者は13人、計1156周だそうです。
 

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さすがインディ500といえる記録が、33人全員の経験年数を足したもので、これまでの最高は87年と92年に記録された260年!なんだか気が遠くなりそうです。ルーキーが多い今年は経験者が少なということで103年、昨年は142年でした。ま、当時はAJもいましたし
 

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ジャーン、実は今年新しい記録が誕生。47歳と351日のアレジが決勝進出を決めたことで、ルーキーの最年長記録が更新。98年にヒューイットさんが記録した46歳320日がそれまでの記録でした。ちなみに33人中一番若いのはニューガーデンで、まだ21歳じゃーん!
 
●スターティング・ラインアップ

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●今日のハイライト映像です

 
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5月19日【ポール・デー】ブリスコーが初のポール・ポジションを獲得。佐藤琢磨は19位
 

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マシンに乗り込んだままポール・ポジションの確定を知ったR.ブリスコー。その目には涙が溢れ、マシンを降りた後に座り込んでしまいました。7回目のインディ500で初めてのポールです。08年の予選で3位、09年に2位と、今回が3回目のフロント・ローに。
 
ブリスコーと予選2位のJ.ヒンチクリフとは0.0023秒差で、70年の0.01秒差を大幅に更新、インディ500史上最僅差となりました。オーストラリア人では初めて、インディ500で15勝しているロジャー・ペンスキーにとっては、実に17回目のポールです。
 

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駆け寄ってきた僚友H.カストロネベスに飛びつき、喜びを爆発させたブリスコー。「信じられないよ。とてもいい4ラップで、安定していた。4周目がうまくいくようにセットアップし、これがポール獲得につながったんだ。インディ500でのポールは絶大だよ」と本人。
 
ロジャー・ペンスキーはここ数年低迷していたブリスコーを気にしていたらしく「確かに、ライアンはこれを必要としていた」とコメント。また、イルモアを設立してシボレーを走らせた当時を思い出し、「飛行機事故で亡くなったポール・モーガンと彼の家族にこのポールを捧げたい」
 

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レーシング・スーツの下の懐に同じカナダ出身の故グレッグ・ムーアの赤いレーシング・グローブを入れて予選に臨んだJ.ヒンチクリフは、セグメント1でみごとトップに躍進。残念ながら僅差で予選2位となりましたが、2年目のインディ500とは思えない活躍です。
 

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予選3位はR.ハンター-レイで、過去ベストの17位を大幅に上回る初めてのフロント・ロー・スタートです。昨年、チームメートのマルコにバンプアウトされ、B.ジュンケイラのシートを譲り受けて決勝へ進出しただけに、喜びもひとしおといった心境でしょう。
 

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アンドレッティ・オートスポーツにとっては地獄のような予選となった昨年から一転、マルコも4位に入ってトップ5に3台が入りました。ハンター-レイやマルコは午前中走らず、逆にプラクティスで走りこんだヒンチクリフがチーム内で最上位という結果になりました。
 

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2年連続で年8回ポールを獲得したW.パワーですが、なかなかインディ500では獲れません。オーストラリア人初ポールの座は僚友ブリスコーに奪われ、今年は予選5位。
 

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午前のプラクティスでトップ、5度目のインディ500PPを狙っていたカストロネベスは6位です。
 
予選でのブースト変更ルール(130から140Kpaへ)にうまく対応し、ファスト・ナインに8台を進出させたシボレー。インディ500では02年にB.ジュンケイラ(ガナッシ)が最後に獲得したポール・ポジション以来で、通算では7回目となります。
 

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ホンダ勢の中で唯一ファスト・ナインに進出したのは、初日から大活躍を見せていたルーキーのJ.ニューガーデンでした。昨年のポール、A.タグリアーニでも11位がベスト。チップ・ガナッシ・レーシングが予選で3列目までに入れなかったのは、なんと05年以来のこと。
  

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予選直前の第8プラクティスで23位と、今週の中で最も低い順位となった佐藤琢磨。しかし12時53分から臨んだ予選では、1周目に223.754、2周目に223.388、3周目に223.232、4周目に223.194と平均223.392mphを記録しました。
 

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最終的に7列目のインフィールド側、19位グリッドから3年目のインディ500に挑む佐藤琢磨。「この5日間のプラクティスで得たすべてを投入して予選に臨んだのですが、ブーストが変更された予選ではスピードが伸びず、ちょっと悔しいです」と予選後にコメント。
 

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「決勝に向けて僕らのマシンはとても順調に仕上がっていて、かなりいいものを見つけられていると思います」とレースへの抱負を語る佐藤琢磨。「決勝は19位からの追い上げになりますが、前車がいるトラフィックの中でもいい仕上がりなので、僕自身も楽しみにしています」
 

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前戦のブラジルで初表彰台の3位を獲得し「チーム全体のモチベーションが上がっています」と語る佐藤琢磨。「今年は何度もいいパフォーマンスを披露していながら、なかなか結果に残せなかったので、3位に入って全体の士気感が高まったのは非常に良かったですね」
 

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今日も絶好の天気となったインディアナポリス・モーター・スピードウェイ。午後5時を過ぎても気温は31度で、けっこう蒸し暑い一日でした。大勢の観客でにぎわったバンプデーですが、この調子でいけば今年もかなりのお客さんが入りそう。明日のバンプデーも楽しみです!
 
●ポール・デー終了時点の暫定リザルト

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●バンプ・デーの予選オーダー

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●予選トップ3のインタビューと走りの映像です

 
●昨年のケンタッキーで悲願の初優勝を遂げたE.カーペンターのクラッシュ映像です。好調なシボレー勢の中でなかなか調子を上げられず、ターン2でスピン。今年からチームオーナー兼ドライバーとしてフル参戦していただけに、走りに集中できなかったのでは?

 
●ベテランのO.セルビアもまさかのクラッシュ。ターン4を立ち上がり、絶妙なコントロールで外側の壁への激突は避けたものの、イン側の壁にヒットしたのに続き、ピット・ロードのウォールと2連発でした。

 
●オーバル出身のルーキーで、好調なニューガーデンのチームメート(サラ・フィッシャー・ハートマン・レーシング)、B.クローゾンのクラッシュ映像です。予選アテンプト中、4周目のターン1でリアが・・・