<Honda>
2011年10月1日(土)
予選
会場:ケンタッキー・スピードウェイ
天候:曇り
気温:12〜13℃
朝から寒さに包まれたケンタッキー・スピードウェイは、夕方になっても空には雲が広がったままで、低温の難しいコンディションで予選が行われました。
インディジャパン ザ ファイナルでポイントリーダーに返り咲いたウィル・パワー(Team Penske)が、シリーズ第16戦ケンタッキー・インディ300の予選で今シーズン8回目、インディカー・キャリアでは24回目となるポールポジションを獲得しました。
ボーナスポイント1点を与えられたパワーのポイントリードは、これによって予選終了時点で11点から12点へと広がりました。予選2番手はグラハム・レイホール(Chip Ganassi Racing)のものとなり、ルーキーのジェイムス・ヒンチクリフ(Newman Haas Racing)が自己ベストの予選リザルトとなる予選3番手に食い込んできました。
インディジャパン ザ ファイナルでポイントリーダーから2位へと後退したダリオ・フランキッティ(Chip Ganassi Racing)は、プラクティス2回を終了した後にエンジンを載せ換えたことが影響し、マシンを万全の状態にして戦うことができず、予選順位は11番手となりました。
昨年度同大会ウイナーのエリオ・カストロネベス(Team Penske)は予選16番手、一昨年のウイナーであるライアン・ブリスコー(Team Penske)は予選18番手と、チームメートがポールポジションを獲得したのとは対照的に苦戦を強いられています。その一方で、上記の2人に惜しくも敗れ、ケンタッキーで2年連続2位フィニッシュを果たしているエド・カーペンター(Sarah Fisher Racing)は予選4番手と、今年も速さを保っています。明日は彼の初勝利がなるかにも注目が集まります。
佐藤琢磨(KV Racing Technology-Lotus)は予選22番手でした。予選前に行われた2回のプラクティス走行では11番手につけ、ポジションアップは十分に可能という感触をつかんでいたのですが、コースコンディションが味方せず、苦しい走行となってしまいました。チームメートの中ではトニー・カナーンの19番手がベストで、E.J.ヴィソは佐藤のすぐ後ろの23番手でした。
今回からSam Schmidt Motorsportsの77号車に搭乗することとなった、2005年と今年のインディ500ウイナーであるダン・ウェルドンは、予選前にマシンにトラブルが発生したために予選アタックを行うことができず、明日のレースは28番グリッドからの出走となります。また、女性ルーキーのピッパ・マン(Rahal Letterman Lanigan Racing)は、予選アタックに出て行くラップでコース内側の壁にヒット。彼女もアタックを敢行できませんでした。彼女には最後尾の29番グリッドが与えられることになりましたが、チームはレースに出場するか否かを明日まで検討する模様です。
<コメント>
ウィル・パワー(ポールポジション)
「すばらしいスタート位置を手に入れることができ、喜んでいます。ボーナス1点を獲得することもできました。この2週間のクルーたちの仕事ぶりに感謝をしています。彼らはチャンピオン争いをする私にベストのマシンを用意しようと、すべてのパーツを細部まで検討し、最高の組み合わせでマシンを組み上げてくれたのです。チームはチームができること、私は私ができることを全力で行い、明日のレースでも最良の結果を残したいと考えています」
グラハム・レイホール(2番手)
「プラクティスでも私たちのマシンは速かったのですが、ガレージでセッティングが間違っていたことが発見されました。予選ではそのセッティングを正しい数値に直して臨みました。おかげでマシンは息を吹き返し、完ぺきと言ってもいいほどの仕上がりとなっていました。フロントローからスタートできるのは本当にうれしいことです。ここ何戦か、予選順位を高い位置に保てています。このチームでの初勝利に一歩ずつ近づいていると感じています。明日のレースでいい結果を得られることを願っています」
ジェイムス・ヒンチクリフ(3番手)
「予選ではひとつの賭けに出ました。ダウンフォースをさらに削って挑みました。ダウンフォースを小さくするか、安全に大きめで走るか、その判断は難しかったので、チームの2台に別々のセッティングを施すことになりました。オリオール・セルビアの走りを見て、自分たちの軽いダウンフォースが正解だと確信しました。チーム力によって勝ち取った予選3番手をうれしく思います。クルーたちのためにも、私はこの結果を喜んでいます。予選で乗ったマシンより、決勝用セッティングを施したマシンの方が仕上がりはいいと感じているので、明日のレースが楽しみです」
佐藤琢磨(22番手)
「プラクティス2回でのマシンはとてもハンドリングがよかったので、予選ではもっとスピードを出せると思ったのですが、マシンに安定感がありませんでした。ウオームアップラップもうまく走れていましたし、アタック2周もコックピット内のツールを使ってうまくまとめ上げることができていたと思います。しかし、スピードが伸びませんでしたね。なぜこのような結果となったのか、チームの3台のマシンのデータを見て原因を解明しなくてはなりません。しかし、決勝用セッティングのマシンはトラフィックの中でも安定していましたから、明日のレースでは上位陣に喰らいついていき、チャンスが訪れたら、それをうまく利用したいと思います」
ロジャー・グリフィス|HPDテクニカル・ディレクター
「寒さの中で開催された予選、今回は29台という多くのマシンがエントリーし、ポイントリーダーのウィル・パワーが見事にポールポジションを獲得しました。その一方で、ポイント2位につけるダリオ・フランキッティはプラクティスでチームがエンジンの水温管理を誤ってダメージを与えてしまったため、予選前にエンジンの換装を行わねばなりませんでした。そのこともあってか、彼の予選順位はトップ10圏外となってしまっています。明日のレースはチャンピオン争いを繰り広げる彼らの戦いにももちろん注目が集まりますが、ダン・ウェルドンが最後尾スタートを切りますから、彼がどこまでポジションを上げてくるかも見どころとなるでしょう。彼は最終戦ラスベガスで500万ドル獲得をかけて最後尾スタートを切ることになっています。ケンタッキーでのレースはまさにその練習になるとも言えます」
<予選リザルト>
順位 No. ドライバー チーム C/E/T タイム
1 12 ウィル・パワー Team Penske D/H/F 00:48.5948
2 38 グラハム・レイホール Chip Ganassi Racing D/H/F 00:48.8028
3 06 ジェームズ・ヒンチクリフ Newman Haas Racing D/H/F 00:48.8391
4 67 エド・カーペンター Sarah Fisher Racing D/H/F 00:48.8799
5 4 J.R.ヒルデブランド Panther Racing D/H/F 00:48.9095
6 26 マルコ・アンドレッティ Andretti Autosport D/H/F 00:48.9241
7 9 スコット・ディクソン Chip Ganassi Racing D/H/F 00:48.9500
8 28 ライアン・ハンターレイ Andretti Autosport D/H/F 00:48.9634
9 2 オリオール・セルビア Newman Haas Racing D/H/F 00:48.9886
10 83 チャーリー・キンボール Chip Ganassi Racing D/H/F 00:49.0254
11 10 ダリオ・フランキッティ Chip Ganassi Racing D/H/F 00:49.0579
12 27 マイク・コンウェイ Andretti Autosport D/H/F 00:49.0810
13 78 シモーナ・デ・シルベストロ HVM Racing D/H/F 00:49.1233
14 7 ダニカ・パトリック Andretti Autosport D/H/F 00:49.1585
15 17 ワイド・カニンガム Sam Schmidt Motorsports D/H/F 00:49.1596
16 3 エリオ・カストロネベス Team Penske D/H/F 00:49.1668
17 44 バディ・ライス Panther Racing D/H/F 00:49.1774
18 6 ライアン・ブリスコー Team Penske D/H/F 00:49.1811
19 82 トニー・カナーン KV Racing Technology-Lotus D/H/F 00:49.2230
20 24 アナ・ベアトリス Dreyer & Reinbold Racing D/H/F 00:49.2367
21 14 ヴィットール・メイラ A.J. Foyt Enterprises D/H/F 00:49.2649
22 5 佐藤琢磨 KV Racing Technology-Lotus D/H/F 00:49.3662
23 59 E.J.ヴィソ KV Racing Technology-Lotus D/H/F 00:49.3815
24 19 アレックス・ロイド Dale Coyne Racing D/H/F 00:49.4232
25 34 ディロン・バティスティーニ Conquest Racing D /H/F 00:49.4298
26 22 タウンゼント・ベル Dreyer & Reinbold Racing D/H/F 00:49.4699
27 18 ジェームズ・ジェイクス Dale Coyne Racing D/H/F 00:49.7254
28 77 ダン・ウェルドン Sam Schmidt Motorsports D/H/F –
29 30 ピッパ・マン Rahal Letterman Lanigan Racing D/H/F –